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始まる前はあんなに緊張していたのに、歌い始めるとそれは消えた。

暖かいお客さんとバンドのメンバー、そして隣でギターを弾いている幸希さんのお陰でライブは楽しく終わろうとしている。

そして最後の曲。

私は息を整えながら、それまでの激しく明るい雰囲気をそっと鎮めて包み込むような伴奏を聴いた。

これはあの夢を見た夜、幸希さんの家で聴いた曲だ。

玲歌さんが亡くなった直後に作ったという静かな哀しみに溢れた曲。

この歌で伝わればいい。

直接言葉にはしないけれど、強く抱く祈りを。

私は幸希さんのギターに乗せて歌い出した。

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