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心を込めて曲を奏でる彼等を見ている内に、何となく伝わって来た事がある。

そう、きっと彼等は知っているのだ。

死という別れが、何の前触れも無く訪れる事を。

残された者の痛みを知っている。

そして残して逝く方の痛みも。

知っているから、分かっているから、彼等は音楽を通じて叫んでいる。

生きている事の素晴らしさを。

生きている限り、世界は優しいんだと。

いつ何が起こって終わってしまうか分からない命だからこそ。

人との出会いに感謝し、何気無い日常に歓びや幸福を覚え。

時には苦しみながら、辛さを抱えて。

それでも懸命に生きて行く。

そうして生きている事自体に価値があるんだ。

愚かしい程に足掻いても、ただ生きているだけで。

ああ、きっと和樹は僕にこれを伝えたかったんだろう。

そうだよな、和樹。

心の中でそう問い掛けた時、今和樹もこの優しい音楽を何処かで聴いている気がした。

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