02
確かに今のこの一時は、彼等の生み出す音楽が見ず知らずの、こんなに大勢の人間を結び付けている。
この瞬間は、それぞれの人生の中で流れている時間を共有している。
生を、分かち合っている。
そう思うと、次々に奏でられる音楽が、より一層輝いているように感じた。
どうしてだろう。
今まで音楽に、こんなに感動した事は無かったのに。
光が煌めくステージに立つメンバーの一人一人を見ている内に、何となく伝わって来た事がある。
そう、きっと彼等は。
瞬く間にライブは終わりに近付き、アンコールの曲となった。
激しい曲を歌い上げた後、拍手が鳴り止むのを待って羽衣が口を開く。
「次が本当に、今日最後の曲となります。これは私達にとっても大切な曲で……」
羽衣はそう言いながら、横に立ってギターを持つ幸希と視線を交わした。
それから他のメンバーを見回し、続ける。
「私が初めてリュウカエンの一人としてステージに立った時に歌った曲です。私にとっては生きてこうして此処で歌えて貴方に会えた事、全てが奇跡でした。だから、この曲を通して伝えたいと思いました」
羽衣の視線は静かに彼女の話を聞く観客の方に向けられ、再びステージ上のメンバーの方へと戻った。
最後に幸希と微笑み合ってから、羽衣は言う。
「生きている事は素晴らしいと。生きている限り、世界は優しいと。苦しい時や辛い時に、この歌で少しでも背中を押せたら嬉しいです」
そして、伴奏が流れ出した。
それまでの熱気を優しく鎮める、穏やかな旋律。
羽衣が一つ一つの音に重ねるように歌い出す。
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Reservoir Amulet