dreamland.03
竜崎【りゅうざき】蒼【あおい】は、ベッドの上に起き上がると、まだぼんやりしている頭を軽く振った。
(また、あの夢か……)
苛立たしげに髪をかき上げると、ベッドから出て窓のカーテンを開ける。
明るい朝日が部屋に射し込んで、少し気分がすっきりする。
(全く、夢の中の女に捕らわれてるなんて人には言えないな)
特に悩みも無く毎日気楽に生きている蒼の、これが唯一の影だった。
いつからか同じ夢を何度も見るようになり、それから覚めた後はどうしても良い気分にはならない。
別に悪夢という訳でも無いのに、もやもやした感情が離れなくなる。
更に困った事には、その夢が時経つごとに細部まで鮮やかに容赦無くまとわり付いてくるのだ。
時々夢の中の方が現実で、この生活が夢なのではないかという錯覚を覚える程に。
自分でもどうかしているとは思うのだが、普段あまり考えないようにしているせいか、今朝はやけにあの少女の姿が頭から離れない。
まともに顔を見た事も無いのに、現実の存在のように感じられる。
白い肌と長い黒髪を持つ少女。
自ら毒をあおろうとしていた少女。
それが実際に体温があり息をしていて、手を伸ばせば届きそうな。
( 馬鹿馬鹿しい。考えるのは止めだ、止め)
頭を振って無理矢理に自分の考えを締め出す。
知っている女の中に、黒髪の者はいない。
所詮夢は夢だ、真剣に考える方が馬鹿げている。
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Reservoir Amulet