07
口伝えに語られる物語を辿るように、国境を越えた。
同じ勢力間での移動ならば、そんなに危険は無いとはいえ。
まさかはるばる此処まで来るなんて。
ライオスは自分に溜息をつきながら、街の様子を見回した。
現在の戦場は、この国からは大分離れた場所にある。
だからこそ、あんな御伽噺が語り継がれて来たのだろう。
比較的穏やかに思えるこの国でも、自分の立場が知られたら面倒な事になるのは変わらない。
気を緩めずに歩いていたライオスの耳に、ふと歌声が届いた。
激しさを秘めた、静かな旋律。
思わず足を止めてその源を探した理由は、自分でも分からなかった。
ただ、ひたすらに紡がれる歌に込められた想いに。
そこから痛い程に伝わる願いに。
らしくなく、胸を打たれたからかもしれない。
- 7 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet2