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口伝えに語られる物語を辿るように、国境を越えた。

同じ勢力間での移動ならば、そんなに危険は無いとはいえ。

まさかはるばる此処まで来るなんて。

ライオスは自分に溜息をつきながら、街の様子を見回した。

現在の戦場は、この国からは大分離れた場所にある。

だからこそ、あんな御伽噺が語り継がれて来たのだろう。

比較的穏やかに思えるこの国でも、自分の立場が知られたら面倒な事になるのは変わらない。

気を緩めずに歩いていたライオスの耳に、ふと歌声が届いた。

激しさを秘めた、静かな旋律。

思わず足を止めてその源を探した理由は、自分でも分からなかった。

ただ、ひたすらに紡がれる歌に込められた想いに。

そこから痛い程に伝わる願いに。

らしくなく、胸を打たれたからかもしれない。

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