26
「わざわざ訊くまでもないと思うけど。僕は倒すよ、あの人を。もう逃げないって決めたんだ」
「私も覚悟は出来ています。負けるつもりはありません」
迷いの無い言葉を聞き、翼は頷いた。
「分かりました。鏑さん」
名を呼ばれた鏑が、目を開けて見返す。
「あの者の元へ繋ぐには、貴方の協力が不可欠です。ご協力頂けますか」
「……やれやれ」
鏑は腕組みを解くと、乱暴に頭をかいた。
「こいつらがこう言ってるのに、俺だけ何もしない訳には行かねえよな。協力するぜ」
「有り難うございます」
頭を下げてから、巫女は二人を見渡す。
「では、お話します」
覚悟は決めた。
もう逃げたりはしない。
- 186 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet2