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翼は思いがけない事を言われたように、手を止めて目を瞬いた。

そして、ふわりと今までに無い程幸せそうに笑う。

「そうですね。変わったかもしれませんね」

「……っ」

思わず息を飲んだ大地を見詰め、翼は続ける。

「もしも私が変われたのなら、それはきっと貴方がいたからです。大地さんが、私に変化をもたらしたんですよ」

「俺、何か貴女にしたか?」

戸惑いながら訊くと、頷きが返って来る。

「はい。沢山の事をして下さいました。本当に、大地さんは変わっていて優しいですよね」

褒められているのかそうでないのかは分からないが、こんな笑顔が見られるなら悪くない。

こんな一時が過ごせるのなら、熱を出すのも悪くない。

苦手だった筈の彼女といるのが、最近は心地良い。

きっと自分も彼女と同様、変わったのだろう。

そして、この変化も悪くない。

誰かと出会い共にいる時を重ねて、笑顔が増えて行くのなら。





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Reservoir Amulet2