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騎士とお姫さま

2021.09.28


アンスタ 鳴上嵐
幼馴染 名前変換なし




遠い昔の記憶。
小さなわたしたちの大きな約束。



「ぼくが騎士で、きみがお姫さま」

「ないと?」

「騎士はいつもお姫さまを守るんだよ」



離れてしまうのが嫌で泣いていたわたしに、あなたがくれた約束を今でも覚えている。



「ぼくがずっと守ってあげる」



笑顔とは裏腹に、少しだけ涙で濡れたあなたの瞳は、夕焼けに反射してとてもきれいで。
にっこり笑ってあなたは言うの。



「いつか迎えにいくね」







わたしにだって甘酸っぱい思い出があるし憧れの人がいる。
そんな甘酸っぱい思い出が詰まった街に戻ってきて、憧れの人が住んでいた家に行ってみた。ら、ちょうどその彼とばったり出会したらこれはもう運命かもとか思っちゃうじゃない。

一瞬で甘い約束とか蘇っちゃうじゃない。



「嵐くん!」



わたしのこと覚えているだろうか。
約束のこと覚えていてくれるかな。
いろんな期待と不安はわたしを乙女にした。



「やだ、久しぶりねー!元気してた!?」



憧れの人も乙女になっていた。





アンスタにはまっていた頃、中編かシリーズものにしようとしてずっとお蔵におねむしていたネタ。







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