ああもうなんか足が痺れてきちゃったよ。何時間こうしてんだろ?早く終わんないかなあ。っていうかなんでこうなったんだっけ?
「名前!聞いているのですか!?」
「はいはい、聞いてますよーて」
「はい、は一度でしょう!?」
「はーい」
「長い!」
あんたはわたしの母ちゃんか。
なんでこの人はこんなにうざくなってんの?いや我が上司ながら昔からうざいけどさ。ええと、たしかこうなった原因はわたしの言葉からよね。
「はあ…恋がしたい」
いきなりなんですかだの、不謹慎ですよだの、品がないですだの、無防備過ぎるだの、そもそも鈍感過ぎるだのくどくどと長ったらしくお説教されて数時間。
だいたいなんでわたしは床に正座でディストさまは椅子なんだよ。彼はいつも椅子だけども。
あれ?
結局わたしなんも悪いことしてなくね?
「だいたい恋がしたいだなんてはしたないですよ。あなたはまだ成人の儀を終えていないのですよ!?」
「10年早いですよ」って、いやいやあんたいつの時代の人ですか。わたしの年齢なんて恋愛しまくりの青春しまくりでしょうがよ。でもまあそろそろ足が痺れてきたし早く終わらすために適当に頷いておくか。
「はい、さーせんでした」
「全くあなたという人は…」
またくどくど説教がはじまるのか?
わずかばかり覚悟してたのに、彼から出た言葉は理解しがたいものだった。
「そこも素敵ですがね」
足の痺れも忘れるくらい目が点になった。
脈絡がなさすぎて意味がわからない。
「フフフ…わかっていますよ。恋がしたいなどと言ったのも実は私に興味を抱いて欲しいがためだということくらい」
「は?」
この人、幻聴まで聴こえるようになったのかな?
わたしが可哀想なものを見つめていると、その可哀想なものは椅子に座ったまま床に正座してる人間の顎を掴んできた。え、痛い痛い!首が痛い!
「かわいい部下です。つまり、」
嫌な予感がするのは気のせいではないはずだ。
「私のことが好きなのですね」
(ぶん殴っていいですか)
2010.03.23
2019.11.04 fix.
昔の謎企画「どす恋企画」から。