「小さいひと」続編
使命中、楽しみなことがある。プリントを配る際に後ろを向けることだ。怪しまれずにしっかり壁役ができているかたしかめることができる。相変わらず気持ちよさそうに眠る苗字さんの姿を見るとこちらまで嬉しくなった。
注意事項がふたつ。
ひとつは先生の視線から苗字さんを隠すように振り返ること。もうひとつはまず彼女より、彼女の後ろの席に視線を向けること。
そうしないと
行京くんが彼女を起こそうとしてしまうから。現に今彼は苗字さんを起こすため背中を突こうとしている。そんな彼に、人差し指を口に当て目を細める。すると行京くんは彼女を起こそうとした手を止め固まった。
そんな彼に直接プリントを渡し、彼女の分は起こさないようにそっと端に置いた。
こんなに気持ちよさそうに眠っているんだ、起こしたら可哀想じゃないか。たとえ起こすことになったとしても、それは君の役目じゃない。
この特権は誰にも譲らないよ。
特権だけの秘密
(鳳ってあんな怖ぇ顔すんのか…)