ほら、またそうやって俺たちの部屋に来ては片隅で膝を抱えてうずくまっている。こいつはなにがしたいんだ?なんて、本当は知っている。こいつはピヨ彦がいないときを狙ってこの部屋に来てはこうしてる。



「…なにしに来たんだ?」

「……別に」



あんたには関係ない。そう言って名前はさらに顔をうずめて足を引き寄せ小さくなる。
こいつ、こんなに小さかったっけ?
まあいつもの態度がでかいからそう感じるのだろう。



「あっそ」

「…相変わらずむかつくわね」

「それはお互いさまだろ」



減らず口、ひねくれた言葉。
俺と名前の会話はこれらの言葉で成り立っている。
馬鹿野郎、違う言葉をかけて欲しいくせに嫌味しか言わない。
言えないんだ。



「あんた、どうかしてるわ」

「おまえこそどうかしてるよ」



面倒事は放って置くに限る。だからこいつのこともいないものとしてそっとしておけばいいのに。俺にはそれができない。
ほんとに、どうかしてる。



「…なんでピヨ彦なんだ?」



首を突っ込むどころかこんなことを聞くなんて。どうせまた可愛気のないことを言われて終わりだろうに。



「あんたには、関係ない」

「………あっそ」



ほら、予想通り。名前はこっちを見ることなくバッサリ切り捨てた。本当にかわいくねえやつ。でも知ってるんだ、本当は誰よりもかわいいってこと。
それに気づいたのはピヨ彦じゃなくて俺なのに、こいつは一度だって俺に振り向いてはくれない。あーあ、かわいくない。





俺なら泣かせないのに
(おまえが俺をみないから)



2010.03.22
2013.07.12 fix.
ピヨ彦夢「きみのせい」リンク。

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