そわそわ、ちらちら。
目の前にいる男を擬音で表すとそんな感じだ。気持ち悪くてうざいったらない。



「名前殿!今日はなんの日か知ってるかい!?」

「今日?ああ、もしかしてフナムシが消える日かな?そうかそうか、ならとっとと消えろ」

「酷いYO!ってか違うYO!」

「んじゃなに?絶滅する日?」

「もっと酷いYOー!!」



めそめそ。
今度はこんな擬音で表せるフナムシ。全くうざい、それ以外のなにものでもない。



「ねえ、うるさいんだけど」

「だっ…だって…名前殿が…っ」



ああもう、面倒くさい。
そんなこいつを黙らせる方法はひとつ。



「これでも食って大人しくしてろッ!」

「ぶふぉふッ」



フナムシの口に、偶然(ここ重要)隣にあったチョコレートを無理矢理ぶっ込んだ。最初はむせていたフナムシも、ぶっ込まれたものの正体に気づくや否や泣く勢いで歓喜した。



「名前殿ー!拙者信じてたYO!」

「うるさい、近所迷惑」



もう、うざったいな。
なんでこの部屋の主であるわたしが、こんな客人でも最低ランクのフナムシに気を使わなきゃなんないわけ?



「嬉しいでござるよ、名前殿!」

「あっそ」



まあ、口辺りにチョコレートつけながらも美味そうに食べてるから許してあげるわよ。





ツンデレとバレンタイン
(名前殿!アイラブユー!)
(寄るな、触るな、調子にのるな)


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