「大きいひと」続編




最近の俺の使命。

後ろから3番目の窓際の席。それが俺の席。
俺の後ろの席には苗字名前さん。俺の使命とは彼女に関係することだ。

窓から流れこむそよ風が心地いいのか彼女はよくうたた寝をしている。こっちまで眠くなってしまうくらい気持ちよさそうに眠るんだ。そんな彼女の壁役が俺の使命だと最近思いはじめた。


苗字さんの居眠りが先生にバレないのは、彼女よりも大きい俺が小さな彼女をすっぽりと隠してしまうから。先生には悪いけれど、あの寝顔を見てしまったら邪魔をしたくないしされたくない。学生として彼女のためにならないがあの寝顔には勝てない。


だから俺は勝手に壁役を任務として全うしている。彼女は知らないだろう、俺が好きでやっていることだから。起こしてあげなくてごめんね。

きっと今の時間帯はうとうとしはじめる頃だろう。その証拠に心地よいそよ風が流れこんできた。苗字さんは今日も安心して眠っているだろうか。後ろを振り向かなければわからないけれど。

ああ、まったくもっていい日だ。





おやすみ、小さいひと
(おやすみ、今日も今日とてよい夢を)


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