恋がしたい。
わたしがそう言ったとしても目の前の彼はわからないだろう。



「名前?どした?」

「いや、恋がね」

「ん?コイ?鯉うまい」



ほらね、案の定わかってない。しかもコイ違いだよ!ったく、食べ物しか頭にないのかあんたは!でも満面の笑みで言うもんだから言い返すこともできなくて。かわいいし。



「ああ…うん、おいしいね」

「名前?さっきから元気ない」



思わず遠い目をしていたら心配された。
恋がしたいなら、いっそ友人のケヴィンに恋してみようかなんて思ったわたしが悪い。考えればわかる、ケヴィンが恋を理解するはずがないってことくらい。それにケヴィンに恋したら絶対に苦労しそうだ。苦労街道まっしぐら、それだけはごめんだわ。(鈍感過ぎて手強いわ)



「なんでもないよ」

「なんでもなくない!だって名前寂しそう」



なんでそれがわかって恋がわからないものかね君は。野生の勘というやつなのかい?



「寂しくなんかないよ」

「嘘、名前わかりやすい」



誰よりもわかりやすいケヴィンにわかりやすいなんて言われたらよっぽどじゃないの。



「オイラ、名前が悲しんだり泣いたりするのイヤだ」



ケヴィンの顔がいきなりぐいっと近づく。ちょっとちょっとちょっと!顔近いから!あまりの近さに思わず顔が赤くなる。



「ちょ、ケヴィン!?」

「名前は笑ってて欲しい」



あれ?ケヴィンってこんなにカッコよかったっけ?輝いて見えるよ。顔立ちも男の子らしくなって、身長だってこんなに差があったっけ?

なんでこんなにドキドキしてるの!?顔が熱い。相手はケヴィンなのに…なんでこんなに胸が高鳴るの?

これじゃまるで…。



「オイラ、名前が大スキだから」





恋じゃないか
(わたしときみの好きは違えど)
(自覚したならあとは押すのみ!)
(ウェルカム!苦労街道まっしぐら!)



2010.03.23
2019.11.04 fix.
昔の謎企画「どす恋企画」から。
ケヴィンかわいいよケヴィン。リメイク楽しみです。

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