本当にケヴィンは幸せそうに食べるもんだ。今だってそう、わたしが作ったおにぎりを幸せそうに食べてる最中。



「名前の料理うまい!」

「そう?ありがとう」



おにぎりって料理の部類に入れていいか疑問だけど、まあ喜んでるし別にいいかと思ったり。



「もいっこ食っていい?」

「どうぞ、どうぞ」



むしゃむしゃと満面の笑みで食べるケヴィンを見つめる。そりゃ好きな彼に手料理(この際、料理の部類に入れよう)を「うまい!」って言われながら幸せそうに食べてもらえれば嬉しいもんですよ。
あらまあ、口元にご飯粒つけちゃって。



「ほら、ここついてる」

「んあ?」



指で口元についていたご飯粒をすくう。すくい取ったご飯粒を見てはたと気がついた。

しまった!このご飯粒どうしよう!?捨てる?いやなんか後味悪いし。かと言ってわたしが食べたらかっ間接…になっちゃうし…。
ああ計算外だった!ミスったあああ!!



「ほんとだ、アリガト」

「ふえ!?ああ、うん!」

「でもそれもったいない」

「え!?あ、まあうん!」



ご飯粒の行き場という自らのミスでパニックに陥っていたわたしは気がついていなかった。ケヴィンが考えたあとになにかを閃いた顔をしたことを。



「ちょーだい」



ぱくり。その場に似合った音。いきなりケヴィンに手首を掴まれたと思えば、少し引っ張られてそのままわたしの指先を口に含んで…っと、うまく理解できないです。



「やっぱり名前の料理うまい!」



もったいないから指先にあったご飯粒をわたしの指ごと食べただと?きっと無意識なんだろうけど天然にも程がある。



「名前?どうかした?」



もう、無理です。
あまりの恥ずかしさにわたしは考えることをやめた。





思考停止
(君の天然についていけません)


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