すべてのものごとは必然である。
いつだか誰かがそう言っていた気がする。ということは、今目の前にいる彼と出会うこともまた必然だったのでしょうか。
「いやあ、いい天気だなあ」
「……」
「こんな日は笛でも吹くかな!」
「………」
「でもなあ、ひとりで吹くのもなあ」
「…………」
ジャンプの発売日だ、と息巻いてコンビニへ向かった帰り道。目当てのものと読書のお供にジュースやお菓子も買えて大満足だ。あとは家に帰ってそれらを堪能するだけ。ささやかな楽しみに心躍らせながら帰宅していたわたしのテンションは急降下した。
道中に不審者と遭遇した。くねくねしているその人は大きな独り言を吐きながら道を通せんぼしていた。
ついてない。この人のせいで家に帰れない。
早く買ったばかりのジャンプ読みたいのに!
「ひとりで吹くのもなあ…チラ」
「独り言じゃないじゃん!」
明らかにわたしを意識してるじゃん!って、はっ!?つい突っ込んでしまった!だってあまりにも突っ込みどころ満載なんだもんこの人!
まずその服装だけどマフラーなの?穴なの?ボタンなの?とにもかくにも、奇妙な服を着た人が奇妙な動きをしていれば、そりゃ当然ながら誰だっていつかは突っ込んでしまうと思う。
謎の人物は、先ほどまで赤面していた表情とはうって変わり、訝しげにわたしを見て「うっわ」と小声で呟いた。明らかに引いているそれだ。こっちのセリフ!
いったいなんなんだこの人は!全くもってついていない。こうなったら強行手段。素早く横通って家帰ろ。
「ちょちょちょ、ちょっと待ったぁあ!」
「なっなんですか!?」
驚いた。通り過ぎようとしたら大声で呼び止められたとともに腕を掴まれてしまった。同じようにわたしの声に驚いたらしい謎の人物はその勢い任せすぐに腕を離してくれたが、わたしの足を止めるには充分なイベントだった。
「…つっ……つつ」
「つつ?」
「つつっつ…つきっきっ」
彼の言葉の意味が理解できない。というよりも彼は大丈夫なのだろうか。壊れたおもちゃのように、同じ言葉を譫言のように繰り返している彼のことがだんだんと心配になってきた。
わたしが「大丈夫ですか」と問いかけるよりも先に、彼は白いたて笛をわたしの目の前に振り下ろし力一杯に叫んだ。
「つき合ってくださいコンチクショー!!」
そして彼は猛スピードでわたしの前から姿を消したのだった。
エキゾチック告白
(え、なんで今怒られたの?)