いいんだよ。だっておれらは仲間じゃん?少しくらいの失礼だって許しちまうさ。だけどこれってある意味イジメじゃね?
「あら、レッサーさん」
ポチャン。石を川に投げ入れた瞬間素敵な声が聞こえた。声だけで分かる、おれの彼女の名前さんだ。そうおれの彼女の!
こんばんはと言う名前さんはおれの隣に座った。お嬢さまだがそれを微塵も感じさせないほど行動は庶民的で、今だって河原の土手にそのまま座っている。
「こんばんは、名前さん」
「どうなさったんです?なんだかいつもより元気がなさそうです」
優しく微笑む名前さんに涙が出そう。おれの女神だよまじで。おれは涙を堪えて経緯を話した。
「おれボーカルなんだけど、知らない内に降ろされそうなんだ」
「まあ」
「しかもアンディーヌに」
「お仲間さんですよね?」
「そう。それからね…」
アンディーヌの野郎は百歩譲って、いや千歩譲ってまだよしとしよう。もっと重大な悩みがある。
いきなり顔をふせたおれに、名前さんが心配そうに声をかけてくれる。おれは立ち上がり、夕陽に向かって青春よろしく叫んだ。
「なんで指摘してくれないんだ、ハテナッチぃいぃいい!」
いちばんの問題は、ハテナッチが「レッサーのことレッサーパンダって呼ぶな」と指摘してくれなくなったことだ。どうしてなんだハテナッチ。
あ、なんか叫んだら少しすっとしたかもしれない。ひとつ溜息をついて座ると、名前さんは予想外にもニコニコ笑っていた。
「それは、レッサーさんが指摘などなくても魅力的だからですよ。ボーカルでなくても、レッサーさんならどんなことでも輝けます」
「名前さん…」
眩しい。名前さんのほうがより輝いている。
ああおれって、シ・ア・ワ・セ!!
あれ?おれ、なんで悩んでたんだっけ?
(((あいつだけ彼女持ちなんて、絶っ対ぇ認めねえからな!)))
2019.09.20 fix.
1週間(+1)は隠しトラック「BELIEVEデモテープ編」のレッサーくんが不憫で作られたもの。
時系列的に「BELIEVE」と「デモテープ編」の間くらい。こういうことがあったからレッサーくんに冷たくなったら面白いなあという幼稚的発想がはじまり。
発想から幼稚なので好き勝手に、王道に、頭を使わず書けて満足です。
KA・N・KE・TU!!