B組の結束
轟は限界まで火力を上げ続けることにした。否、限界が来てもそれをさらに超えて火力を上げる。
モニターにまで異常をきたすそれに氷華は楽しそうに笑っていた。初めて轟の本気の熱をみた。爆豪とは違うその形に興味がわく。一体轟はどこまで火力を上げれるだろうか。
「退け、溶けちまうぞ」
「それはどうかな……? 私もまだ……これが限界だなんていってないよ」
吹雪が負けじと吹き荒れる。冬は氷華の味方だ。当たり前だ、雪女とはそういうものだから。
飯田から吸い取った精気のおかげで氷華は体力も有り余っていた。けれど轟も氷華の氷雪のおかげで
「赫灼――」
「白雪!!
骨抜の声が届いた瞬間、氷華は一気に出力を上げた。赫灼を撃とうと構えていた轟は一瞬押しまけた。
牢に誰か入ったというアナウンスはない、鉄哲が尾白と障子二人を相手取ってくれている。氷華に伝えるために骨抜を
整ったとはそういうことだ。氷華が最大出力を出しても耐えられる準備が整ったということ。だから冒頭で回原はまだだと焦ったのだ。
「負けるわけにいかない……! みんなのためにも勝たなきゃいけない……!」
「俺だって……負けるわけにいかねぇんだ……!!」
「
「
B組の絆を胸に放った氷華の一撃と、なりたい自分になるために己を超えた轟の一撃がぶつかる。
すさまじい爆発にモニターが何も映せなくなった。骨抜は氷華によって気絶させられた飯田を抱え、急いで激カワ据え置きプリズンへと向かう。鉄哲が心配だったがあそこにいては飯田も巻き込まれる上、着実に数を稼ぐことにした。二人の闘いが激しさを増している。それを感じ取った骨抜は体育祭から今までのことを思い出していた。
「(白雪……おまえは強いよ。B組随一の強個性、おまえが体育祭で爆豪と全力で当たってるのを見て、俺らはおまえの可能性にやっと気づいた。おまえが全力でやれる環境を整えてやること、それが俺らB組の総意……!! おまえならきっと轟にだって勝てると俺らは信じてる……!!)」
骨抜は走った。爆煙が背中に迫っている、それだけの威力の必殺技を互いに放ってなお、勝つのは氷華だと信じていた。
「はぁ……はぁ、はぁ……」
「っけほ……ごほごほっ」
二人は立っていた。コスチュームはお互いボロボロで、顔も煤だらけでおまけに血が出ている。お互いボロボロにもほどがあったが、しっかり立っていた。轟も氷華も目は死んでいなかった。むしろ燃えている。絶対に勝つと心に決めた者の目だった。
「
「(ここでそれやられんのはきちィな!!)」
飯田から吸った精気が効いていた。氷龍霰華を限界数まで造形し、吸った精気をありったけ吹き込んだ。氷華の右腕は火傷を負っていたし、轟の左半身も凍傷を負っている。先ほどの大技を二人とも食らっていたのだ。
時間がない、残り時間はあと少し、その間になんとしても轟を、氷華を牢まで――そしてアナウンスがなる、飯田が牢に入れられた。
「(骨抜くん……!)」
「(飯田……!)」
轟は痛む左に鞭を打ち、炎を繰り出す。もう一度赫灼を。いや熱が籠りすぎてる無理だ、無理でもやるんだ。なりたい自分になるために、俺はやる、やれる。
氷華も痛々しい火傷が残る右腕を抑え、それでも更なる一撃を放とうとしていた。負けたくない、
「赫灼――」
「雪嵐――」
「20分経過!! 第3セット終了!! 投獄数1−1、引き分けだ!!!」
それを聞いた瞬間、轟は気絶した。気力だけで立っていた。負けるわけにはいかないというその気力だけで立っていたのだった。
「白雪……悪かった、右手大丈夫か」
「轟くん……大丈夫、リカバリーガールが治してくれたから。轟くんこそ左大丈夫?」
「俺も大丈夫だ……いや、俺なんかハンドクラッシャーみてぇで……」
「ハンドクラッシャー?」
「緑谷も飯田も俺が関わってから手ダメにしてんだ。きっと呪われてる……」
「轟くんって占いとか信じるタイプなんだね。私もつい気にしちゃう」
「いや占いはあんま信じねぇ」
「そうなの?」
リカバリーガールから治癒してもらった後、戻る傍らでそんな話をした。わりとショックを受けている様子の轟に氷華は「ほら、全然平気だよ」と力瘤を作って見せた。「いやそれ……こぶ出来てなくねぇか」不評だった。
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