職場体験、傀薇は魔法ヒーローマジェスティックの下を訪れていた。ヒーロービルボードチャートNO.10に入ることもある実力者である。
「ご指名いただき感謝いたしますわ! 手繰傀薇、ヒーロー名はマリオネット! どうぞよろしくお願いいたしますわ!」
「うんうん、傀薇ちゃんね。近くでみるとやっぱ可愛いねぇ〜! よろしくね」
そうしてマジェスティックと始まった職場体験であるが、割と充実していた。
マジェスティックはマホウというリング状のエネルギーを操る個性である。マホウというだけあってそのリングから魔法のように自由自在に効果を付与できる個性である。
傀薇も糸や針の種類を変えられるためマジェスティックのその汎用性、適材適所は見習うものがあった。あったのだが……。
「マジェスティック……これはヒーロー活動に必要なことですの?」
傀薇は何やらブティックに連れてこられ、服や小物を見繕われていた。その後美容室にも行き、丁寧に髪を整えられメイクを薄く施される。そして極めつけはお洒落なディナーである。職場体験一日目のことであった。
「んー? ヒーロー活動ではないけど、ヒーローにも必要なことだよ」
「まぁ、そうでしたの? わたくしてっきりただ遊んでいるのかと……」
「あはは、合ってるよ。これは遊び」
「え!? やっぱり遊びでしたの!?」
場所が場所なだけに声は抑えていたが、それでも傀薇は驚いてしまった。まさかこんなにも堂々と遊んでますと言われるとは思っていなかったのだ。わたくし、ヒーローとして学びに来ましたの……としゅんとする傀薇にマジェスティックは笑った。
「遊びは遊びでも必要な遊びだよ。ヒーローだって人だ。お洒落をして、美味しいものを食べて心を養う。そうじゃないと頑張りたいときに頑張れなくなってしまう時が出てきてしまうんだ」
「マジェスティックにも、プロにもそんなときがありますの?」
「そりゃそうさ。俺たちはプロヒーローとして市民の命と財産を守る義務がある。けれど24時間365日年中無休じゃ働けない。休めるときにきっちり休んでおく必要があるんだよ」
「それはまぁ、そうかもしれませんけども……」
でも初日からこんな風に遊ぶなんて……としゅんとしている傀薇にマジェスティックは「傀薇ちゃんは頑張り屋さんだね」と笑いかけた。
「初日だからだよ。仕事は信頼関係が大事だ。こうして美味しいものを食べて話をして、どういう人間か知る、知ってもらう。それが仕事に活かされる。今日は心を養うのと話をするのが目的。明日からはちょっとハードだからね」
「そう、ですわね。信頼関係が任務の成否を問うのはよくわかりますわ! わたくしたくさんマジェスティックにわたくしのこと知ってもらえるようにお話ししますので、マジェスティックのことも教えてくださいな!」
「もちろん」
それからマジェスティックと傀薇はたくさんの話をした。趣味は何か、最近あった面白い出来事、好きな食べ物、好みのタイプだったりとそれはもう色々話した。
「ごちそうさまでしたわ、とても素敵なディナーを感謝いたしますわ!」
「どういたしまして。俺もこんな可愛い子をエスコートできて光栄だったよ。……さっきも言った通り、明日はハードだから早く休んで明日に備えるんだよ」
「わかりましたわ! おやすみなさいまし」
「ああ、おやすみ」
そうして一日目を終えた次の日、傀薇はマジェスティックと共に保須へ向かうことになる。ヒーロー殺しステイン、その確保の協力に出向することとなったのだ。
「マジェスティック、わたくしもついてきてよろしかったの……?」
「んー? どうして?」
「だってヒーロー殺しステインでしょう? もうプロでも何人も被害が出てますわ、職場体験生なんて足手纏いじゃなくて……?」
手繰傀薇は底抜けのポジティブであるが現実主義でもある。自分の可能性をどこまでも信じているが、一方でそれはあくまで伸びしろであり現在の実力がプロに勝るなどと思いあがってなどいない。難しい任務だからこそ自分が足手纏いになる可能性を冷静に考えていた。
「傀薇ちゃんは優しい子だねぇ。だいじょーぶ、君のその個性は人を助けるのにとても向いてる。出来ると思ったから連れてきてるんだよ」
「マジェスティック……! そこまでわたくしのことを売ってくださいましたの……!」
「あはは、僕が買ったんだよ。――雄英体育祭、傀薇ちゃんはどこまでもヒーローだった。ヒーローとしてあるべき姿を君は体現し続けた。そんな君だから俺は指名したんだ」
マジェスティックはちゃんと見ていた。手繰傀薇のヒーローとしての素養を。けれど傀薇は思ってしまった。わたくしに見いだせたのなら、緑谷に見いだせなかったはずがないと。
「ではどうして緑谷を指名しませんでしたの……?」
「そんなの簡単さ、僕は女性が好きなんだ」
茶目っ気たっぷりにあっけらかんと返されたそれにぽかんとする。そうでした、マジェスティックは極度の女好きでしたわね……。緑谷が女だったなら彼はきっと指名していただろうとなんだか笑えて来てしまった。
「ま、それはそうと駅弁でも食べよう。ご当地の特産品を使ってるのと、雰囲気って大事じゃない? 景色を見ながら列車の中で食べる駅弁っておいしいんだよ」
「喜んでいただきますわ!」
そうして列車の中で頂いた駅弁はそれはもう美味しく「マジェスティック! わたくしこの駅弁のファンになりましたわ!」「それはなにより」「わたくしこういうのなんて言うか知ってますわ、珍味口角っていうのでしょう」「んー……珍味佳肴かな。傀薇ちゃんにとってはそれくらい美味しかったんだね」「ええ! とっても!」保須に向かう道すがらはとても和気あいあいとしたものだった。
「ご指名いただき感謝いたしますわ! 手繰傀薇、ヒーロー名はマリオネット! どうぞよろしくお願いいたしますわ!」
「うんうん、傀薇ちゃんね。近くでみるとやっぱ可愛いねぇ〜! よろしくね」
そうしてマジェスティックと始まった職場体験であるが、割と充実していた。
マジェスティックはマホウというリング状のエネルギーを操る個性である。マホウというだけあってそのリングから魔法のように自由自在に効果を付与できる個性である。
傀薇も糸や針の種類を変えられるためマジェスティックのその汎用性、適材適所は見習うものがあった。あったのだが……。
「マジェスティック……これはヒーロー活動に必要なことですの?」
傀薇は何やらブティックに連れてこられ、服や小物を見繕われていた。その後美容室にも行き、丁寧に髪を整えられメイクを薄く施される。そして極めつけはお洒落なディナーである。職場体験一日目のことであった。
「んー? ヒーロー活動ではないけど、ヒーローにも必要なことだよ」
「まぁ、そうでしたの? わたくしてっきりただ遊んでいるのかと……」
「あはは、合ってるよ。これは遊び」
「え!? やっぱり遊びでしたの!?」
場所が場所なだけに声は抑えていたが、それでも傀薇は驚いてしまった。まさかこんなにも堂々と遊んでますと言われるとは思っていなかったのだ。わたくし、ヒーローとして学びに来ましたの……としゅんとする傀薇にマジェスティックは笑った。
「遊びは遊びでも必要な遊びだよ。ヒーローだって人だ。お洒落をして、美味しいものを食べて心を養う。そうじゃないと頑張りたいときに頑張れなくなってしまう時が出てきてしまうんだ」
「マジェスティックにも、プロにもそんなときがありますの?」
「そりゃそうさ。俺たちはプロヒーローとして市民の命と財産を守る義務がある。けれど24時間365日年中無休じゃ働けない。休めるときにきっちり休んでおく必要があるんだよ」
「それはまぁ、そうかもしれませんけども……」
でも初日からこんな風に遊ぶなんて……としゅんとしている傀薇にマジェスティックは「傀薇ちゃんは頑張り屋さんだね」と笑いかけた。
「初日だからだよ。仕事は信頼関係が大事だ。こうして美味しいものを食べて話をして、どういう人間か知る、知ってもらう。それが仕事に活かされる。今日は心を養うのと話をするのが目的。明日からはちょっとハードだからね」
「そう、ですわね。信頼関係が任務の成否を問うのはよくわかりますわ! わたくしたくさんマジェスティックにわたくしのこと知ってもらえるようにお話ししますので、マジェスティックのことも教えてくださいな!」
「もちろん」
それからマジェスティックと傀薇はたくさんの話をした。趣味は何か、最近あった面白い出来事、好きな食べ物、好みのタイプだったりとそれはもう色々話した。
「ごちそうさまでしたわ、とても素敵なディナーを感謝いたしますわ!」
「どういたしまして。俺もこんな可愛い子をエスコートできて光栄だったよ。……さっきも言った通り、明日はハードだから早く休んで明日に備えるんだよ」
「わかりましたわ! おやすみなさいまし」
「ああ、おやすみ」
そうして一日目を終えた次の日、傀薇はマジェスティックと共に保須へ向かうことになる。ヒーロー殺しステイン、その確保の協力に出向することとなったのだ。
「マジェスティック、わたくしもついてきてよろしかったの……?」
「んー? どうして?」
「だってヒーロー殺しステインでしょう? もうプロでも何人も被害が出てますわ、職場体験生なんて足手纏いじゃなくて……?」
手繰傀薇は底抜けのポジティブであるが現実主義でもある。自分の可能性をどこまでも信じているが、一方でそれはあくまで伸びしろであり現在の実力がプロに勝るなどと思いあがってなどいない。難しい任務だからこそ自分が足手纏いになる可能性を冷静に考えていた。
「傀薇ちゃんは優しい子だねぇ。だいじょーぶ、君のその個性は人を助けるのにとても向いてる。出来ると思ったから連れてきてるんだよ」
「マジェスティック……! そこまでわたくしのことを売ってくださいましたの……!」
「あはは、僕が買ったんだよ。――雄英体育祭、傀薇ちゃんはどこまでもヒーローだった。ヒーローとしてあるべき姿を君は体現し続けた。そんな君だから俺は指名したんだ」
マジェスティックはちゃんと見ていた。手繰傀薇のヒーローとしての素養を。けれど傀薇は思ってしまった。わたくしに見いだせたのなら、緑谷に見いだせなかったはずがないと。
「ではどうして緑谷を指名しませんでしたの……?」
「そんなの簡単さ、僕は女性が好きなんだ」
茶目っ気たっぷりにあっけらかんと返されたそれにぽかんとする。そうでした、マジェスティックは極度の女好きでしたわね……。緑谷が女だったなら彼はきっと指名していただろうとなんだか笑えて来てしまった。
「ま、それはそうと駅弁でも食べよう。ご当地の特産品を使ってるのと、雰囲気って大事じゃない? 景色を見ながら列車の中で食べる駅弁っておいしいんだよ」
「喜んでいただきますわ!」
そうして列車の中で頂いた駅弁はそれはもう美味しく「マジェスティック! わたくしこの駅弁のファンになりましたわ!」「それはなにより」「わたくしこういうのなんて言うか知ってますわ、珍味口角っていうのでしょう」「んー……珍味佳肴かな。傀薇ちゃんにとってはそれくらい美味しかったんだね」「ええ! とっても!」保須に向かう道すがらはとても和気あいあいとしたものだった。
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