期末試験で赤点がでた者がいたものの、それらは合理的虚偽で全員で合宿に行くことになった。だがしかし、補習もしっかりやるらしく、とてもきついものになるらしい。
皆で林間合宿に備えて必要なものを買いに行こうという話になり、傀薇も一緒に行くことにしたのだが……なんとそのショッピングモールで緑谷が死柄木弔と接触したことで大騒ぎになり、予定していた合宿先を急遽変えることとなった。万全を期して挑むため、当日まで傀薇たちもどこに行くかは知らされないままであった。
パーキングにとまるということで休憩に外に出たA組だったが、そこはパーキングなどではなかった。
「煌めく眼でロックオン!」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」」
現れたのは今回合宿でお世話になるプロヒーロー、プッシ―キャッツの方だった。メンバーの一人であるマンダレイは山のふもとが合宿場だといい、早ければ12時前後に着くだろうとなんとも不穏な発言をした。それから間もなく、バスに戻ろうとするも全員がピクシーボブの個性で山に落とされてしまう。
魔獣の森、ピクシーボブの作った土魔獣たちが蔓延る森を突破しなければならない。
「魔獣の森、わたくしの個性とは相性抜群ですわ!! みんな泥船に乗ったつもりでお任せでしてよ!!」
「手繰、沈んでる」
「あら失礼! 豪華客船に乗ったつもりでお任せでしてよ!」
あくまでも大船といえない傀薇に轟がついに笑ってしまう。傀薇らしいったりゃありゃしない。
けれど宣言通り傀薇の活躍はすさまじかった。見晴らしの悪い木々を伐採するのも魔獣を操るのもお手の物だった。すさまじいその怪力に爆豪が「この怪力が」と引いた様子を見せていた。けれど絶好調の傀薇は気にした風もなく、むしろ「オ〜ホッホッホッ! わたくしの向かうところ人なしですわ!」と上機嫌であった。無双できて嬉しかったのだ。爆豪がご丁寧に「敵なしの間違いだろうが! バカ女!」とツッコミを入れてくれた。
「やーーーーっと来たにゃん。とりあえずお昼は抜くまでもなかったねぇ」
「何が「三時間」ですか……」
「腹減った……死ぬ」
「悪いね私たちならって意味アレ」
「実力差自慢のためか……」
「ねこねこねこ……でも正直もっとかかると思ってた。私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった。いいよ君ら……特にそこの5人。躊躇の無さは経験値 によるものかしらん? 三年後が楽しみ! ツバつけとこーー!!!」
そういって傀薇たちにツバを文字通りつけていくピクシーボブ。「わたくしもですの!?」とさすがの傀薇も驚いた。適齢期的なあれでピクシーボブは焦っているのである。適齢期という言葉に緑谷が反応する。
小さい男の子がずっと気になっていたのだ。洸汰という彼はマンダレイの従甥だった。緑谷がよろしくねとあいさつしたところ、洸汰は容赦なく緑谷の陰嚢を蹴り上げた。
「ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねぇよ」
「つるむ!!? いくつだ君!!」
「マセガキ」
「おまえに似てねぇか?」
「ええ、確かに爆豪と似てますわね、ツンツンしてますもの」
「あ!? 似てねぇよ! ツンツンとかバカ女の語彙力どうなってんだ! つか喋ってんじゃねぇぞ舐めプ野郎!」
「悪い」
「ほら、ツンツンしてますわ!」
きゃはきゃは笑う傀薇に爆豪が更にキレる。「なぁにがツンツンだってぇ!? お前の頭もツンツンさせてやろうかこのクソツインテール!!」「きゃー爆豪が怒りましたわー!」じゃれているように見えるそれに轟がいつかの胸のもやつきを再び感じる。疲れたからか……? と冷静に分析していると、文字通り爆豪が傀薇のツインテールを持ち上げて引っ張っていた。「いたっ、いたいですわ爆豪……!」「お前には躾が必要だなぁこのバカ女がああ」痛いという割に楽し気な二人の様子に轟は咄嗟に行動していた。
「あ? んだよ舐めプ野郎」
「……手繰が痛がってる、放してやれ」
「あ゛?」
ガシッと掴まれた自分の腕とぽかんとした傀薇の顔と、最後に轟の顔を見て色々察した。察しのいい男なのだ爆豪は。舐めプ野郎は嫉妬したらしい。しかも無自覚と来た。めんどくさい気配を察知した爆豪は「離せ」と轟に声をかけて傀薇のツインテールを解放した。それにほっとしたように轟は傀薇のぼさっとなったツインテールを直そうとする。
「轟? 直してくださいますの?」
「ああ、これくらいなら俺も…………お」
逆にリボンが絡まった。それに「……わりぃ」と声を上げる。「かまいませんわ。直そうとしてくれてありがとうですわ。そういうのは気持ちが大事ですのよ」と笑ってささっと結びなおす。触れた滑らかな髪の感触と香ったシャンプーの匂いにすこしドキリとした。なんか俺変だな。と思いつつ、腹減ってるからだろうと納得する。早く飯が食いたい。そうしてプッシーキャッツが用意してくれたご飯は死ぬほどおいしかった。
「まァまァ……飯とかはね……ぶっちゃけどうでもいいんスよ。求められてるのってそこじゃないんスよ。その辺わかってるんスよオイラぁ……求められているのはこの壁の向こうなんスよ……」
「一人で何言ってんの峰田くん……」
それは入浴時間のことだった。板を隔てた向こうには女湯があった。板に耳を押し付け向こう側にある女子風呂の会話の様子を峰田は聞いていた。「気持ちいいねぇ」「温泉あるなんてサイコーだわ」「疲れが吹き飛びますわぁ……」峰田が周りを煽るように今日日男女の入浴時間をずらさないなんて事故だという。そう、峰田は行動に出ようとしていた。
「峰田くんやめたまえ! 君のしている事は己も女性陣も貶める恥ずべき行為だ!」
「やかましいんスよ。壁とは超える為にある!!Plus Ultra !!!」
「速っ!!」
「校訓を穢すんじゃないよ!!」
到達しようとしたその瞬間、見張りで潜んでくれていた洸汰が峰田を撃退した。けれど女性陣にお礼を言われうっかりそちらを見てしまい、動揺して落ちてしまった。
「!! 洸汰くん……!!」
咄嗟に傀薇が糸を垂らす。それになんと蜘蛛の糸だと言わんばかりに洸汰ではなく峰田がひっかかってしまった。それを知らない傀薇が引き上げようとしたところ、氷結がそれを阻んだ。
「轟!?」
「手繰! さっきの子供なら緑谷が助けた今マンダレイのとこ連れてってる! 糸掴んだの峰田だ! 気をつけろ!」
「そ、それは大変申し訳ありませんでしたわ!!」
こうして傀薇たち女性陣は危機一髪難を逃れたのだが、峰田を止めるためとはいえ、轟の氷の規模が明らかにやりすぎだったことでちょっと轟は怒られることになる「悪ぃ」唯一轟のあれそれを察してしまった爆豪は「無自覚ってタチわりぃな」と吐き捨てるのだった。
皆で林間合宿に備えて必要なものを買いに行こうという話になり、傀薇も一緒に行くことにしたのだが……なんとそのショッピングモールで緑谷が死柄木弔と接触したことで大騒ぎになり、予定していた合宿先を急遽変えることとなった。万全を期して挑むため、当日まで傀薇たちもどこに行くかは知らされないままであった。
パーキングにとまるということで休憩に外に出たA組だったが、そこはパーキングなどではなかった。
「煌めく眼でロックオン!」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」」
現れたのは今回合宿でお世話になるプロヒーロー、プッシ―キャッツの方だった。メンバーの一人であるマンダレイは山のふもとが合宿場だといい、早ければ12時前後に着くだろうとなんとも不穏な発言をした。それから間もなく、バスに戻ろうとするも全員がピクシーボブの個性で山に落とされてしまう。
魔獣の森、ピクシーボブの作った土魔獣たちが蔓延る森を突破しなければならない。
「魔獣の森、わたくしの個性とは相性抜群ですわ!! みんな泥船に乗ったつもりでお任せでしてよ!!」
「手繰、沈んでる」
「あら失礼! 豪華客船に乗ったつもりでお任せでしてよ!」
あくまでも大船といえない傀薇に轟がついに笑ってしまう。傀薇らしいったりゃありゃしない。
けれど宣言通り傀薇の活躍はすさまじかった。見晴らしの悪い木々を伐採するのも魔獣を操るのもお手の物だった。すさまじいその怪力に爆豪が「この怪力が」と引いた様子を見せていた。けれど絶好調の傀薇は気にした風もなく、むしろ「オ〜ホッホッホッ! わたくしの向かうところ人なしですわ!」と上機嫌であった。無双できて嬉しかったのだ。爆豪がご丁寧に「敵なしの間違いだろうが! バカ女!」とツッコミを入れてくれた。
「やーーーーっと来たにゃん。とりあえずお昼は抜くまでもなかったねぇ」
「何が「三時間」ですか……」
「腹減った……死ぬ」
「悪いね私たちならって意味アレ」
「実力差自慢のためか……」
「ねこねこねこ……でも正直もっとかかると思ってた。私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった。いいよ君ら……特にそこの5人。躊躇の無さは
そういって傀薇たちにツバを文字通りつけていくピクシーボブ。「わたくしもですの!?」とさすがの傀薇も驚いた。適齢期的なあれでピクシーボブは焦っているのである。適齢期という言葉に緑谷が反応する。
小さい男の子がずっと気になっていたのだ。洸汰という彼はマンダレイの従甥だった。緑谷がよろしくねとあいさつしたところ、洸汰は容赦なく緑谷の陰嚢を蹴り上げた。
「ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねぇよ」
「つるむ!!? いくつだ君!!」
「マセガキ」
「おまえに似てねぇか?」
「ええ、確かに爆豪と似てますわね、ツンツンしてますもの」
「あ!? 似てねぇよ! ツンツンとかバカ女の語彙力どうなってんだ! つか喋ってんじゃねぇぞ舐めプ野郎!」
「悪い」
「ほら、ツンツンしてますわ!」
きゃはきゃは笑う傀薇に爆豪が更にキレる。「なぁにがツンツンだってぇ!? お前の頭もツンツンさせてやろうかこのクソツインテール!!」「きゃー爆豪が怒りましたわー!」じゃれているように見えるそれに轟がいつかの胸のもやつきを再び感じる。疲れたからか……? と冷静に分析していると、文字通り爆豪が傀薇のツインテールを持ち上げて引っ張っていた。「いたっ、いたいですわ爆豪……!」「お前には躾が必要だなぁこのバカ女がああ」痛いという割に楽し気な二人の様子に轟は咄嗟に行動していた。
「あ? んだよ舐めプ野郎」
「……手繰が痛がってる、放してやれ」
「あ゛?」
ガシッと掴まれた自分の腕とぽかんとした傀薇の顔と、最後に轟の顔を見て色々察した。察しのいい男なのだ爆豪は。舐めプ野郎は嫉妬したらしい。しかも無自覚と来た。めんどくさい気配を察知した爆豪は「離せ」と轟に声をかけて傀薇のツインテールを解放した。それにほっとしたように轟は傀薇のぼさっとなったツインテールを直そうとする。
「轟? 直してくださいますの?」
「ああ、これくらいなら俺も…………お」
逆にリボンが絡まった。それに「……わりぃ」と声を上げる。「かまいませんわ。直そうとしてくれてありがとうですわ。そういうのは気持ちが大事ですのよ」と笑ってささっと結びなおす。触れた滑らかな髪の感触と香ったシャンプーの匂いにすこしドキリとした。なんか俺変だな。と思いつつ、腹減ってるからだろうと納得する。早く飯が食いたい。そうしてプッシーキャッツが用意してくれたご飯は死ぬほどおいしかった。
「まァまァ……飯とかはね……ぶっちゃけどうでもいいんスよ。求められてるのってそこじゃないんスよ。その辺わかってるんスよオイラぁ……求められているのはこの壁の向こうなんスよ……」
「一人で何言ってんの峰田くん……」
それは入浴時間のことだった。板を隔てた向こうには女湯があった。板に耳を押し付け向こう側にある女子風呂の会話の様子を峰田は聞いていた。「気持ちいいねぇ」「温泉あるなんてサイコーだわ」「疲れが吹き飛びますわぁ……」峰田が周りを煽るように今日日男女の入浴時間をずらさないなんて事故だという。そう、峰田は行動に出ようとしていた。
「峰田くんやめたまえ! 君のしている事は己も女性陣も貶める恥ずべき行為だ!」
「やかましいんスよ。壁とは超える為にある!!
「速っ!!」
「校訓を穢すんじゃないよ!!」
到達しようとしたその瞬間、見張りで潜んでくれていた洸汰が峰田を撃退した。けれど女性陣にお礼を言われうっかりそちらを見てしまい、動揺して落ちてしまった。
「!! 洸汰くん……!!」
咄嗟に傀薇が糸を垂らす。それになんと蜘蛛の糸だと言わんばかりに洸汰ではなく峰田がひっかかってしまった。それを知らない傀薇が引き上げようとしたところ、氷結がそれを阻んだ。
「轟!?」
「手繰! さっきの子供なら緑谷が助けた今マンダレイのとこ連れてってる! 糸掴んだの峰田だ! 気をつけろ!」
「そ、それは大変申し訳ありませんでしたわ!!」
こうして傀薇たち女性陣は危機一髪難を逃れたのだが、峰田を止めるためとはいえ、轟の氷の規模が明らかにやりすぎだったことでちょっと轟は怒られることになる「悪ぃ」唯一轟のあれそれを察してしまった爆豪は「無自覚ってタチわりぃな」と吐き捨てるのだった。
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