林間合宿二日目、朝5時30分。早朝から始まったそれはハードなものだった。
まず爆豪が個性把握テストのときにしたハンドボール投げを行ったところ、結果は意外にもほとんど伸びていなかったのだ。雄英に入学してから約三ヶ月間、成長したのは精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで個性そのものはそこまで成長していないのだ。だからこの合宿で個性を伸ばすという。相澤曰く死ぬほどきついそれは本当に死ぬほどきついものだった。
「いてええええええええ」
「クソがあああああああああ」
「ぎゃああああああああ」
「なんのこれしきですわあああああ」
まさに阿鼻叫喚だった。遅れてやってきたB組が引いた眼で見ている。傀薇は身体の至るところから針や糸を最長距離まで飛ばし、ピクシーボブが作った大きな土の塊を限界まで持ち上げてそれを振り回していた。また飛ばして刺さった土塊を操作するそのとんでもない怪力とタフネスに塩崎がまたしても感動していた「ああっ太陽……! なんて凛々しいのでしょう……!」「ナイスガッツだぜ手繰!」鉄哲にも伝染していた。素直な奴である。
そうして無事B組も地獄に案内され、昼食の時間になる。
「さァ昨日言ったね「世話焼くのは今日だけ」って!!」
「己で食う飯くらい己でつくれ!! カレー!!」
「イエッサ……」
「アハハハハ全員全身ブッチブチ!! だからって雑なネコマンマは作っちゃダメね!」
「確かに……災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環……さすが雄英無駄がない!! 世界一旨いカレーを作ろう皆!!」
「ええ! 三ツ星とってやりますわーーー!!」
「(飯田に手繰便利)」
そうして始まったカレー作りである。まず火を起こすところから始める。轟の炎が大活躍だった。爆豪も着けれないかといわれ「つけれるわ! クソが!」と威勢よく答えたが爆破で土台がめちゃくちゃになってしまう。
「無理もありませんわ。個性訓練で爆破の威力があがってるんですもの。爆豪早くも成長ですわね! わたくしも負けてられませんわ」
「あ゛!? お前のフォローなんざいらねンだよ!」
「あら本心でしてよ。ほら組み立て直しましたのでもう一度威力を抑えてやってごらんなさいな。爆豪ならできますもの」
「……ケッ」
そうして傀薇が個性で即興で作り直した土台に再び爆豪は爆破で火をつける。今度は威力も抑えて注視する。そうして土台が壊れることなく着いたそれに近くで見守っていた瀬呂と常闇が「おお……!」と声を上げた。「ほら、やっぱり爆豪はさすがですわ」「当然だタコ」まんざらでもなさそうな爆豪の様子ににこにこしていると、芦戸から「こっちも火おねがーい!」と声がかかる。
「わたくしもやってみたいですわ!」
「え、手繰どうやんだ?」
「こう……木の棒と木の板を合わせて……高速スピンですわ!!」
「原始的いいい!? でもすげめっちゃ回転してるはえええ! え、煙出てんじゃんお前すげぇな!?」
「それほどでもありますわ!」
「原始の光明……」
「お褒め頂き感謝ですわ!」
お前今何て言われたかわかったの? という瀬呂に傀薇は自信満々でわかりませんでしたわ! と答える。わかんねぇで返事したのかよ!? と全力でツッコまれた。
だが傀薇が活躍できたのはここまでである。
「おいこのバカ! 玉ねぎ剥きすぎだわ!! もうなくなってんだろうが!!」
「え? これ皮じゃありませんの? 剥いても剥いても同じですわよ?」
「オメェ料理したことねぇなら最初に言えや! お前は鍋かき混ぜるか大人しく食器並べてろ!! これは俺がどうにかしてやる!!」
「わ、わかりましたわ……! 爆豪ありがとうですわ!」
「フンッ!!」
筋金入りのお嬢様故に傀薇は料理というものをしたことなかったのだ。包丁を持つ手さえ危なっかしかったが火おこしで大活躍したこともあり、皆傀薇のことを見ていなかったのだ。幼馴染の八百万でさえこのことは知らなかった。一緒に料理をしたことなどなかったからだ。傀薇は爆豪に言われた通り個性で人数分の食器を運ぶ。轟が手伝いを申し入れてくれたが傀薇にとっては大したことではなかったため気持ちだけもらった。
「そうか……なんかあれば言ってくれ」
「ええ、その時はお願いしますわー!」
何か物言いたげに傀薇の後姿を見ている轟に爆豪が「雛鳥かよ……」と小さく吐き捨てたのだった。
「まぁ……! 玉ねぎがちゃんと玉ねぎになってますわ! 爆豪すごいですわね!」
「ああ゛!? おめーがぶっ飛んでるだけだわこのクソオジョーサマが!」
「ええ、わたくしとても未熟でしたわ……料理もちゃんと学ばねばなりませんわね……!」
玉ねぎが普段見る調理済みの形になっているのに感激した傀薇は爆豪をそれはもう褒めたたえていた。危うくねぎ抜きカレーになるところだったのだ。相変わらずブチギレている爆豪だったが反対に轟は妙に神妙だった。
「あら轟どうしましたの? 進んでいないようですけど……どこか具合が悪いんですの……?」
「具合……そうだな、なんか……胸がいてぇ」
「まぁ! それは大変ですわ……個性を酷使した反動かもしれませんわね」
深刻そうに話す二人に爆豪がまたしてもピキィっと青筋を浮かべた。察しの良い爆豪は大体を理解していたのだ。大方どういうわけか爆豪と傀薇が絡んでいるのに嫉妬したのだろう。おそらく轟は傀薇の力になりたかったのだが、これといって手助けできてない上に、爆豪がフォローするものだから轟に心理的ダメージが入ったのだ。
だが爆豪はめんどくせぇ知ったことかとばかりに無視をした。わざわざ世話を焼く理由がないのだ。おまけに無自覚と来た、ちったぁ自覚してから出直して来いとそれなりなカレーにがっつくのだった。
まず爆豪が個性把握テストのときにしたハンドボール投げを行ったところ、結果は意外にもほとんど伸びていなかったのだ。雄英に入学してから約三ヶ月間、成長したのは精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで個性そのものはそこまで成長していないのだ。だからこの合宿で個性を伸ばすという。相澤曰く死ぬほどきついそれは本当に死ぬほどきついものだった。
「いてええええええええ」
「クソがあああああああああ」
「ぎゃああああああああ」
「なんのこれしきですわあああああ」
まさに阿鼻叫喚だった。遅れてやってきたB組が引いた眼で見ている。傀薇は身体の至るところから針や糸を最長距離まで飛ばし、ピクシーボブが作った大きな土の塊を限界まで持ち上げてそれを振り回していた。また飛ばして刺さった土塊を操作するそのとんでもない怪力とタフネスに塩崎がまたしても感動していた「ああっ太陽……! なんて凛々しいのでしょう……!」「ナイスガッツだぜ手繰!」鉄哲にも伝染していた。素直な奴である。
そうして無事B組も地獄に案内され、昼食の時間になる。
「さァ昨日言ったね「世話焼くのは今日だけ」って!!」
「己で食う飯くらい己でつくれ!! カレー!!」
「イエッサ……」
「アハハハハ全員全身ブッチブチ!! だからって雑なネコマンマは作っちゃダメね!」
「確かに……災害時など避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一環……さすが雄英無駄がない!! 世界一旨いカレーを作ろう皆!!」
「ええ! 三ツ星とってやりますわーーー!!」
「(飯田に手繰便利)」
そうして始まったカレー作りである。まず火を起こすところから始める。轟の炎が大活躍だった。爆豪も着けれないかといわれ「つけれるわ! クソが!」と威勢よく答えたが爆破で土台がめちゃくちゃになってしまう。
「無理もありませんわ。個性訓練で爆破の威力があがってるんですもの。爆豪早くも成長ですわね! わたくしも負けてられませんわ」
「あ゛!? お前のフォローなんざいらねンだよ!」
「あら本心でしてよ。ほら組み立て直しましたのでもう一度威力を抑えてやってごらんなさいな。爆豪ならできますもの」
「……ケッ」
そうして傀薇が個性で即興で作り直した土台に再び爆豪は爆破で火をつける。今度は威力も抑えて注視する。そうして土台が壊れることなく着いたそれに近くで見守っていた瀬呂と常闇が「おお……!」と声を上げた。「ほら、やっぱり爆豪はさすがですわ」「当然だタコ」まんざらでもなさそうな爆豪の様子ににこにこしていると、芦戸から「こっちも火おねがーい!」と声がかかる。
「わたくしもやってみたいですわ!」
「え、手繰どうやんだ?」
「こう……木の棒と木の板を合わせて……高速スピンですわ!!」
「原始的いいい!? でもすげめっちゃ回転してるはえええ! え、煙出てんじゃんお前すげぇな!?」
「それほどでもありますわ!」
「原始の光明……」
「お褒め頂き感謝ですわ!」
お前今何て言われたかわかったの? という瀬呂に傀薇は自信満々でわかりませんでしたわ! と答える。わかんねぇで返事したのかよ!? と全力でツッコまれた。
だが傀薇が活躍できたのはここまでである。
「おいこのバカ! 玉ねぎ剥きすぎだわ!! もうなくなってんだろうが!!」
「え? これ皮じゃありませんの? 剥いても剥いても同じですわよ?」
「オメェ料理したことねぇなら最初に言えや! お前は鍋かき混ぜるか大人しく食器並べてろ!! これは俺がどうにかしてやる!!」
「わ、わかりましたわ……! 爆豪ありがとうですわ!」
「フンッ!!」
筋金入りのお嬢様故に傀薇は料理というものをしたことなかったのだ。包丁を持つ手さえ危なっかしかったが火おこしで大活躍したこともあり、皆傀薇のことを見ていなかったのだ。幼馴染の八百万でさえこのことは知らなかった。一緒に料理をしたことなどなかったからだ。傀薇は爆豪に言われた通り個性で人数分の食器を運ぶ。轟が手伝いを申し入れてくれたが傀薇にとっては大したことではなかったため気持ちだけもらった。
「そうか……なんかあれば言ってくれ」
「ええ、その時はお願いしますわー!」
何か物言いたげに傀薇の後姿を見ている轟に爆豪が「雛鳥かよ……」と小さく吐き捨てたのだった。
「まぁ……! 玉ねぎがちゃんと玉ねぎになってますわ! 爆豪すごいですわね!」
「ああ゛!? おめーがぶっ飛んでるだけだわこのクソオジョーサマが!」
「ええ、わたくしとても未熟でしたわ……料理もちゃんと学ばねばなりませんわね……!」
玉ねぎが普段見る調理済みの形になっているのに感激した傀薇は爆豪をそれはもう褒めたたえていた。危うくねぎ抜きカレーになるところだったのだ。相変わらずブチギレている爆豪だったが反対に轟は妙に神妙だった。
「あら轟どうしましたの? 進んでいないようですけど……どこか具合が悪いんですの……?」
「具合……そうだな、なんか……胸がいてぇ」
「まぁ! それは大変ですわ……個性を酷使した反動かもしれませんわね」
深刻そうに話す二人に爆豪がまたしてもピキィっと青筋を浮かべた。察しの良い爆豪は大体を理解していたのだ。大方どういうわけか爆豪と傀薇が絡んでいるのに嫉妬したのだろう。おそらく轟は傀薇の力になりたかったのだが、これといって手助けできてない上に、爆豪がフォローするものだから轟に心理的ダメージが入ったのだ。
だが爆豪はめんどくせぇ知ったことかとばかりに無視をした。わざわざ世話を焼く理由がないのだ。おまけに無自覚と来た、ちったぁ自覚してから出直して来いとそれなりなカレーにがっつくのだった。
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