林間合宿二日目の夜、前日の教訓を活かしA組女子はB組女子を性欲の権化から守らんと動いていた。結果作戦は上手くいき、見事峰田を捕らえることに成功した。峰田を先生たちへ引き渡し部屋でくつろいでいた時のことだった。B組の女子たちが先ほどのお礼といってお菓子を持ってきてくれたのだ。
それをせっかくだから女子会をしようということになり、女子会らしく恋バナが始まっていた。
「それじゃ、付き合ってる人がいる人ー!」
誰も手を上げないので芦戸は拍子抜けした。誰も付き合っていなかったのだ。でもめげることなく、次はだれか好きな人はいないのかと話題を変える。
好きな人という単語に青山に緑谷のことを指摘された麗日は思わず反応してしまうが、蛙吹のフォローもありなんとか落ち着く。そこで意外なとこから声があがった。
「そういえば……轟さん……傀薇さんをよく見ている気がしますわ」
「轟?」
「ええ、期末試験のときも傀薇さんを頼っていましたし、カレー作りのときも傀薇さんの姿を探してらして……」
「あーうんうん、確かになんか探してんなーって思ってたけどあれ手繰だったんだ!」
「えーじゃあじゃあ轟くん傀薇ちゃんのこと好きなのかなー!?」
「へー轟と手繰かぁ……美男美女でお似合いだな!」
「ん!」
盛り上がっていく周りに傀薇はぽかんとした顔をした。まさか自分と轟が取沙汰されるとは思ってなかったのだ。傀薇にとって轟は好敵手であるし、轟だって傀薇をそう思っている。故に絡むことが多いのは確かにそうなのだが、それが恋愛なのかと聞かれると傀薇はよくわからなかった。
「んー……轟のことですわ、緑谷にもそうですけど轟って心を開いた相手にはとても素直ですの。雛鳥のそれと同じではありませんこと?」
「雛鳥って……! かわいいとこあんじゃん轟!」
「じゃあ手繰的に轟ってどうなの? あり!? なし!?」
「お付き合いするとなると……うーんわかりませんわ。轟のことはずっと好敵手と思って見ておりましたもの。恋人として接するとなると……あまり想像できませんわね」
「完全な脈無しでもないと。これは今後に期待だね!」
「ご期待に添えるかはわかりませんわ。あまり期待しないでくださいましね」
女子会の雰囲気を崩さず、柔らかく返した傀薇に心遣いが行き届いていらっしゃると塩崎が小さく感動していた。ちゃっかり傀薇の隣に座った塩崎は傀薇の話を誰よりも真剣に聞いていた。塩崎の傀薇への心酔っぷりはB組では周知の事実で、あの物間にさえ傀薇が絡もうものなら厳しい目を向けるなど塩崎にとって傀薇はとても大切な存在であった。
それから恋バナはいまいち盛り上がらず好みのタイプの話になった。
「私はその……太陽のような方がいいです」
「わたくし?」
「ええ、皆を照らすこの世の光……正義とは何かを語るその背中……どれをとっても素晴らしいです、太陽……!!」
「そ、それほどでもありますわね!」
「とかいって傀薇ちゃん照れてるー!」
塩崎の熱烈な告白にさしもの傀薇も照れてしまった。あまりに塩崎の目がキラキラしていたのだ。これは傀薇でも照れてしまう。嫌な気はまったくしないが。
「じゃあ手繰はどんな人がタイプ―?」
「わたくしは手がかかる方がタイプですわ」
「手がかかるぅ!?」
「ちょっと手繰それ大丈夫なの? ダメ男とかじゃない?」
「フフ、わたくし不器用な方とか、甘えん坊な方とか……ほっとけない方がいいのですわ。支え甲斐がありますもの!」
「ケロケロ、確かに傀薇ちゃん面倒見がいいものね」
「傀薇さんは相変わらずですわね……幼少の頃より好みのタイプが変わってませんの」
傀薇の変わった好みのタイプに周りが引いたような反応をするが、何か合点がいったように芦戸が声を上げた。
「だから手繰、爆豪とか轟と仲いいんだ!!」
「あー確かに……体育祭までの轟とかとっつき辛かったし、爆豪とか言わずもがなだもんね」
「手繰さん意外や……!」
「言われてみればそうですわね、二人ともほっとけませんわ!」
「わー三角関係じゃん! おもしろーい!!」
「三奈ちゃん面白がるのはよくないわ。必ずしも恋愛に直結するわけではないもの。静かに見守りましょう」
「はーい!」
言われて初めて傀薇は爆豪と轟も確かに好みのタイプだと認識する。二人ともほっとけないのだ。でもだからといって二人に恋愛感情を抱いているかというとそれも違うなと思う。難しいものだ。好みのタイプだからと実際付き合うとかは違ったりする。傀薇は手がかかる人が好きだけれど、もしかしたら付き合うのは包容力のある大人なタイプかもしれない。なんにせよ自分にはまだ恋愛は早いかもしれないと思うのだった。
余談だが傀薇の好みのタイプを聞いた塩崎は傀薇の心配をしていた。どんな人でも傀薇の手にかかればうまくやっていけるとは思うが、それでも傀薇にはもっとふさわしい人がいるのではないかと塩崎は思う。ちなみに具体的な人間は出てこない、傀薇の存在が神格化されすぎているのだ。すっかり傀薇ワールドに入りこんでしまった塩崎に拳藤は苦笑するのだった。
続くそういう芦戸はどんな人がタイプなのかという話で、上げていくワードにみんなが「ん?」と反応する。該当した人物がいたのだ。それはなんと常闇の黒影 であった。一応に黒影に賛同するみんなに傀薇は肩透かしをくらった。もう次の話題に移っている。次は現役ヒーローの中でもし結婚するのならである。わいわいと盛り上がっていくそれに女子会の恋バナって……わりと軽いものなのだと思いなおすのだった。
それをせっかくだから女子会をしようということになり、女子会らしく恋バナが始まっていた。
「それじゃ、付き合ってる人がいる人ー!」
誰も手を上げないので芦戸は拍子抜けした。誰も付き合っていなかったのだ。でもめげることなく、次はだれか好きな人はいないのかと話題を変える。
好きな人という単語に青山に緑谷のことを指摘された麗日は思わず反応してしまうが、蛙吹のフォローもありなんとか落ち着く。そこで意外なとこから声があがった。
「そういえば……轟さん……傀薇さんをよく見ている気がしますわ」
「轟?」
「ええ、期末試験のときも傀薇さんを頼っていましたし、カレー作りのときも傀薇さんの姿を探してらして……」
「あーうんうん、確かになんか探してんなーって思ってたけどあれ手繰だったんだ!」
「えーじゃあじゃあ轟くん傀薇ちゃんのこと好きなのかなー!?」
「へー轟と手繰かぁ……美男美女でお似合いだな!」
「ん!」
盛り上がっていく周りに傀薇はぽかんとした顔をした。まさか自分と轟が取沙汰されるとは思ってなかったのだ。傀薇にとって轟は好敵手であるし、轟だって傀薇をそう思っている。故に絡むことが多いのは確かにそうなのだが、それが恋愛なのかと聞かれると傀薇はよくわからなかった。
「んー……轟のことですわ、緑谷にもそうですけど轟って心を開いた相手にはとても素直ですの。雛鳥のそれと同じではありませんこと?」
「雛鳥って……! かわいいとこあんじゃん轟!」
「じゃあ手繰的に轟ってどうなの? あり!? なし!?」
「お付き合いするとなると……うーんわかりませんわ。轟のことはずっと好敵手と思って見ておりましたもの。恋人として接するとなると……あまり想像できませんわね」
「完全な脈無しでもないと。これは今後に期待だね!」
「ご期待に添えるかはわかりませんわ。あまり期待しないでくださいましね」
女子会の雰囲気を崩さず、柔らかく返した傀薇に心遣いが行き届いていらっしゃると塩崎が小さく感動していた。ちゃっかり傀薇の隣に座った塩崎は傀薇の話を誰よりも真剣に聞いていた。塩崎の傀薇への心酔っぷりはB組では周知の事実で、あの物間にさえ傀薇が絡もうものなら厳しい目を向けるなど塩崎にとって傀薇はとても大切な存在であった。
それから恋バナはいまいち盛り上がらず好みのタイプの話になった。
「私はその……太陽のような方がいいです」
「わたくし?」
「ええ、皆を照らすこの世の光……正義とは何かを語るその背中……どれをとっても素晴らしいです、太陽……!!」
「そ、それほどでもありますわね!」
「とかいって傀薇ちゃん照れてるー!」
塩崎の熱烈な告白にさしもの傀薇も照れてしまった。あまりに塩崎の目がキラキラしていたのだ。これは傀薇でも照れてしまう。嫌な気はまったくしないが。
「じゃあ手繰はどんな人がタイプ―?」
「わたくしは手がかかる方がタイプですわ」
「手がかかるぅ!?」
「ちょっと手繰それ大丈夫なの? ダメ男とかじゃない?」
「フフ、わたくし不器用な方とか、甘えん坊な方とか……ほっとけない方がいいのですわ。支え甲斐がありますもの!」
「ケロケロ、確かに傀薇ちゃん面倒見がいいものね」
「傀薇さんは相変わらずですわね……幼少の頃より好みのタイプが変わってませんの」
傀薇の変わった好みのタイプに周りが引いたような反応をするが、何か合点がいったように芦戸が声を上げた。
「だから手繰、爆豪とか轟と仲いいんだ!!」
「あー確かに……体育祭までの轟とかとっつき辛かったし、爆豪とか言わずもがなだもんね」
「手繰さん意外や……!」
「言われてみればそうですわね、二人ともほっとけませんわ!」
「わー三角関係じゃん! おもしろーい!!」
「三奈ちゃん面白がるのはよくないわ。必ずしも恋愛に直結するわけではないもの。静かに見守りましょう」
「はーい!」
言われて初めて傀薇は爆豪と轟も確かに好みのタイプだと認識する。二人ともほっとけないのだ。でもだからといって二人に恋愛感情を抱いているかというとそれも違うなと思う。難しいものだ。好みのタイプだからと実際付き合うとかは違ったりする。傀薇は手がかかる人が好きだけれど、もしかしたら付き合うのは包容力のある大人なタイプかもしれない。なんにせよ自分にはまだ恋愛は早いかもしれないと思うのだった。
余談だが傀薇の好みのタイプを聞いた塩崎は傀薇の心配をしていた。どんな人でも傀薇の手にかかればうまくやっていけるとは思うが、それでも傀薇にはもっとふさわしい人がいるのではないかと塩崎は思う。ちなみに具体的な人間は出てこない、傀薇の存在が神格化されすぎているのだ。すっかり傀薇ワールドに入りこんでしまった塩崎に拳藤は苦笑するのだった。
続くそういう芦戸はどんな人がタイプなのかという話で、上げていくワードにみんなが「ん?」と反応する。該当した人物がいたのだ。それはなんと常闇の
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