「爆豪! ほら見てくださいまし! わたくし包丁扱えてますでしょう!?」
「あ゛!? んな出来て当たり前のレベルでドヤってんじゃねぇ!! このクソ脳筋が!」
「ちゃんと玉ねぎも剥けましたの!」
「それも当たりめぇだわ!! クソ!!」
あれから動画などをみて包丁の使い方を学習した傀薇が得意げに切った玉ねぎをほらご覧になってと爆豪に迫る。確かに成長しているが出来て当たり前レベルであるそれにたったそれだけで得意げになってんじゃねーぞと苛ついた。またしても近くで見ていた轟が「よく切れてるいい玉ねぎだと思う」などとのたまわり、爆豪がついに「切れてて当たり前なんだわ!! それにいいも悪いもあるか!!」とツッコむのだった。
時は経ち夜、肝試しの時間。なんの因果か轟と爆豪はくじでペアになってしまった。暗い夜道を無言で歩いていたが、ふと轟が口を開いた。
「なぁ、爆豪」
「なんだ喋ってんじゃねぇ」
「悪ぃ。お前と手繰って……仲いいよな」
「喋ってんじゃねぇって言ってんだろ!」
爆豪は突然振られた会話にマジかとうんざりしていた。よりによって傀薇の話題である。爆豪からみて自覚はないだろうが間違いなく轟は傀薇が好きだったし、自分と傀薇のやり取りに対して嫉妬のような感情を抱いていたのも知っているがだからってそれいうのかよとめんどくさくてたまらなかった。
「別によくねぇ」
「そうか? 手繰は……お前のこと頼ってる気がする」
「んなわけあるか。あいつが誰かを頼るタマかよ……」
「……そう、だな……手繰はそういうやつだ」
勝手に納得されてそれはそれで気に入らなかった。お前無自覚でここまで拗らせて巻き込んでんじゃねぇといったところだ。頼っただなんだも、あまりに料理一つ出来ないものだから見兼ねた爆豪がこのままじゃねぎ抜きカレーになると危ぶんで取り上げたのだ。包丁さばきを見せてきたのもほらわたくしはもう成長しましてよ! という子供が親に見て欲しがるのと同じである。
鬱陶しいったりゃありゃしない、あまりにじめっている轟に爆豪は思わず声をかけてしまった。
「おまえこそ、いっつもあいつの後金魚の糞みてぇにくっつきまわてんじゃねぇか」
「? 手繰は金魚じゃねぇし、俺も糞じゃねぇ」
「喩えだわ!! くっつきすぎだっつっとんだ!!」
「……そんなにくっついてるか?」
「それも自覚無しかよ!! おめーあいつの行く先々に現れすぎなんだわ! 大好きすぎか!!」
「ああ、手繰のことは大好きだ」
「お前なんでそこはわかってんのに自覚してねぇんだよ!! ったく……あほくせ」
清々しいほどに大好きだといった轟に爆豪は脱力した。「なぁ、自覚ってなんだ」「知らね」「なぁ爆豪……」「うるせぇもう喋んな」もう轟と喋りたくなかった。話せば話すほど苛ついてくるのだ。舐めプしてっからそっちも舐めてんだろと爆豪は一人ごちる。あんなに嫉妬に濡れた目を向けてきておいてなんで気づかないのか。爆豪は不思議でならなかった。
「どこですの……百……!」
傀薇は一人夜道を駆けていた。緑谷とペアだったのだが敵連合の敵襲に遭い緑谷は洸汰の居場所に心当たりがあるようで行ってしまった。傀薇も飯田の引率で合宿上に戻るはずだったが数分前に出発した八百万が心配になり駆け出してしまったのだ。ものすごく嫌な予感がする。早く合流せねばと焦っているとふいに焦げ臭いにおいを感じた。一瞬でそれが害のあるものだと本能的に察知し、息を止める。毒ガスだった。
「あっ! 百!」
「傀薇さん!? まだ後のはずでは……ペアの緑谷さんは……いえ、とりあえずこれを! 早く着けてください」
「ありがとうですわ。連合の敵襲に遭いましたの。緑谷は洸汰くんのところに行ってますわ。わたくしは百が心配で……嫌な予感がしましたの」
八百万からもらったガスマスクを装着し、状況を説明する。勝手に出てきたと知った八百万が苦言を呈するが、それでも傀薇は嫌の予感がするの一点張りで戻ろうとしなかった。結果泡瀬の提案もあり三人でB組の待機ポイントまで周ることにした。
『A組B組総員――プロヒーローイレイザーヘッドの名に於いて戦闘を許可する!!』
マンダレイのテレパスで戦闘許可が出た瞬間、目の前にそれがいた。USJの襲撃のときにオールマイトがねじ伏せた脳が丸出しの化け物に酷似していたそれに傀薇は一瞬の判断で戦闘に入った。
「傀薇さん!?」
「泡瀬! 百を連れて早くポイントへ! こいつはわたくしが引き受けますわ……!!」
「引き受けるったって無茶だろ! なんか見るからにやばいぞあれ!?」
「やばいからですわ!! 今やるべきことはB組の生徒たちを毒ガスから守ること……! こんなものに時間を割いてる場合ではなくてよ!!」
警鐘が鳴っていた。これは間違いなくやばいと。八百万の創造は大きなものを創るほど時間がかかる。そんな時間を作らせてもらえるほど甘い敵ではないということを傀薇はUSJで直に見て知っていた。泡瀬も戦闘向きの個性ではない。ならばここは傀薇が引き受けて二人をB組のポイントへ行かせるのが最適解である。
「傀薇さん! ですが……!」
「今やるべきことを忘れてはいけませんわ! クリエティ! 人命優先でしてよ……!!」
「……どうかご無事で。終わったら私たちも応援を呼んできますわ!」
「手繰マジ死ぬなよ! 行こう八百万こっちだ!」
移動する八百万と泡瀬を行かせまいと脳無が躍り出る。それを傀薇が糸で引き寄せそのまま地面へ叩きつけた。まったくダメージを受けていないそれに冷や汗が流れる。USJのあれともし同じ耐久力なら傀薇一人ではどうにもならない。けれど傀薇の個性は迎撃と翻弄なら負けない。続くマンダレイの爆豪が狙われているという情報も気になる。早くこれをなんとかして爆豪を保護しなければ。イカレ脳無と傀薇の戦いは激しさを増していくのだった。
「あ゛!? んな出来て当たり前のレベルでドヤってんじゃねぇ!! このクソ脳筋が!」
「ちゃんと玉ねぎも剥けましたの!」
「それも当たりめぇだわ!! クソ!!」
あれから動画などをみて包丁の使い方を学習した傀薇が得意げに切った玉ねぎをほらご覧になってと爆豪に迫る。確かに成長しているが出来て当たり前レベルであるそれにたったそれだけで得意げになってんじゃねーぞと苛ついた。またしても近くで見ていた轟が「よく切れてるいい玉ねぎだと思う」などとのたまわり、爆豪がついに「切れてて当たり前なんだわ!! それにいいも悪いもあるか!!」とツッコむのだった。
時は経ち夜、肝試しの時間。なんの因果か轟と爆豪はくじでペアになってしまった。暗い夜道を無言で歩いていたが、ふと轟が口を開いた。
「なぁ、爆豪」
「なんだ喋ってんじゃねぇ」
「悪ぃ。お前と手繰って……仲いいよな」
「喋ってんじゃねぇって言ってんだろ!」
爆豪は突然振られた会話にマジかとうんざりしていた。よりによって傀薇の話題である。爆豪からみて自覚はないだろうが間違いなく轟は傀薇が好きだったし、自分と傀薇のやり取りに対して嫉妬のような感情を抱いていたのも知っているがだからってそれいうのかよとめんどくさくてたまらなかった。
「別によくねぇ」
「そうか? 手繰は……お前のこと頼ってる気がする」
「んなわけあるか。あいつが誰かを頼るタマかよ……」
「……そう、だな……手繰はそういうやつだ」
勝手に納得されてそれはそれで気に入らなかった。お前無自覚でここまで拗らせて巻き込んでんじゃねぇといったところだ。頼っただなんだも、あまりに料理一つ出来ないものだから見兼ねた爆豪がこのままじゃねぎ抜きカレーになると危ぶんで取り上げたのだ。包丁さばきを見せてきたのもほらわたくしはもう成長しましてよ! という子供が親に見て欲しがるのと同じである。
鬱陶しいったりゃありゃしない、あまりにじめっている轟に爆豪は思わず声をかけてしまった。
「おまえこそ、いっつもあいつの後金魚の糞みてぇにくっつきまわてんじゃねぇか」
「? 手繰は金魚じゃねぇし、俺も糞じゃねぇ」
「喩えだわ!! くっつきすぎだっつっとんだ!!」
「……そんなにくっついてるか?」
「それも自覚無しかよ!! おめーあいつの行く先々に現れすぎなんだわ! 大好きすぎか!!」
「ああ、手繰のことは大好きだ」
「お前なんでそこはわかってんのに自覚してねぇんだよ!! ったく……あほくせ」
清々しいほどに大好きだといった轟に爆豪は脱力した。「なぁ、自覚ってなんだ」「知らね」「なぁ爆豪……」「うるせぇもう喋んな」もう轟と喋りたくなかった。話せば話すほど苛ついてくるのだ。舐めプしてっからそっちも舐めてんだろと爆豪は一人ごちる。あんなに嫉妬に濡れた目を向けてきておいてなんで気づかないのか。爆豪は不思議でならなかった。
「どこですの……百……!」
傀薇は一人夜道を駆けていた。緑谷とペアだったのだが敵連合の敵襲に遭い緑谷は洸汰の居場所に心当たりがあるようで行ってしまった。傀薇も飯田の引率で合宿上に戻るはずだったが数分前に出発した八百万が心配になり駆け出してしまったのだ。ものすごく嫌な予感がする。早く合流せねばと焦っているとふいに焦げ臭いにおいを感じた。一瞬でそれが害のあるものだと本能的に察知し、息を止める。毒ガスだった。
「あっ! 百!」
「傀薇さん!? まだ後のはずでは……ペアの緑谷さんは……いえ、とりあえずこれを! 早く着けてください」
「ありがとうですわ。連合の敵襲に遭いましたの。緑谷は洸汰くんのところに行ってますわ。わたくしは百が心配で……嫌な予感がしましたの」
八百万からもらったガスマスクを装着し、状況を説明する。勝手に出てきたと知った八百万が苦言を呈するが、それでも傀薇は嫌の予感がするの一点張りで戻ろうとしなかった。結果泡瀬の提案もあり三人でB組の待機ポイントまで周ることにした。
『A組B組総員――プロヒーローイレイザーヘッドの名に於いて戦闘を許可する!!』
マンダレイのテレパスで戦闘許可が出た瞬間、目の前にそれがいた。USJの襲撃のときにオールマイトがねじ伏せた脳が丸出しの化け物に酷似していたそれに傀薇は一瞬の判断で戦闘に入った。
「傀薇さん!?」
「泡瀬! 百を連れて早くポイントへ! こいつはわたくしが引き受けますわ……!!」
「引き受けるったって無茶だろ! なんか見るからにやばいぞあれ!?」
「やばいからですわ!! 今やるべきことはB組の生徒たちを毒ガスから守ること……! こんなものに時間を割いてる場合ではなくてよ!!」
警鐘が鳴っていた。これは間違いなくやばいと。八百万の創造は大きなものを創るほど時間がかかる。そんな時間を作らせてもらえるほど甘い敵ではないということを傀薇はUSJで直に見て知っていた。泡瀬も戦闘向きの個性ではない。ならばここは傀薇が引き受けて二人をB組のポイントへ行かせるのが最適解である。
「傀薇さん! ですが……!」
「今やるべきことを忘れてはいけませんわ! クリエティ! 人命優先でしてよ……!!」
「……どうかご無事で。終わったら私たちも応援を呼んできますわ!」
「手繰マジ死ぬなよ! 行こう八百万こっちだ!」
移動する八百万と泡瀬を行かせまいと脳無が躍り出る。それを傀薇が糸で引き寄せそのまま地面へ叩きつけた。まったくダメージを受けていないそれに冷や汗が流れる。USJのあれともし同じ耐久力なら傀薇一人ではどうにもならない。けれど傀薇の個性は迎撃と翻弄なら負けない。続くマンダレイの爆豪が狙われているという情報も気になる。早くこれをなんとかして爆豪を保護しなければ。イカレ脳無と傀薇の戦いは激しさを増していくのだった。
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