文化祭が始まろうとしていた。
体育祭がヒーロー科の晴れ舞台だとしたら文化祭は他科が主役。そして現状寮制を始めとしたヒーロー科主体の動きにストレスを感じている者も少なからずおり、いわばガス抜きも兼ねた大事なイベントとなっていた。
さっそく出し物を決めていくが、なかなかまとまらない。傀薇も合唱団などを提案してみたがこれといった決定打にはならなかった。
そうして時間切れとなり明日の朝までに決めることになった。さもなくば問答無用で公開座学だと相澤が決めたからだ。
傀薇は緑谷たちと同じようにインターンに行っていた間の補習があり、話し合いに参加できなかったため決定に従うことにした。
傀薇たちが補習している頃轟たちは出し物について話し合っていた。
「落ち着いて考え直してみたんだが……先生の仰っていた他科のストレス。俺たちは発散の一助となる企画を出すべきだと思うんだ」
「そうですわね……ヒーローを志す者がご迷惑おかけしたままではいけませんもの」
そうして考え直し、ランチラッシュの味に慣れた雄英生をご飯系では満足させられないと却下し、続く体験系も動物園は衛生面、コントは素人芸はストレスを与えると却下。どうしたものかと考えていると、芦戸が「みんなで踊ると楽しいよ」と控えめに主張したのを轟が拾った。
「ダンス良いんじゃねえか?」
「超意外な援軍が!!」
「ちょっといいかなんかあったろなんて言うのか知らねェけど……バカ騒ぎするやつ。ああ、これだ」
「轟から出る発想じゃねーーー!!」
「パーティーピーポーになったのか轟……!? やっぱ彼女出来ると一気にリア充になっちまうのか!?」
「違ェ。飯田の意見はもっともだと思うし、そのためには皆で楽しめる場を提供するのが適してんじゃねぇか。仮免補講からの連想なんだが」
「どんな補講だったんだよ……」
轟が提案したのはライブだった。動画の中のライブは観客と一体になって楽しんでいた。仮免補講で子供の心を掴んだ轟らしい発想だった。
瀬呂が素人芸程ストレスを与えるものはないと念を押すが、なんと芦戸が教えれらた。奇怪な動きだった素人青山が一日でステップをマスターした実績は芦戸の指導者としての実力を裏付けた。では音楽といえばで真っ先に浮かんだのは耳郎である。
「耳郎ちゃんの楽器で生演奏!!」
「ちょっと待ってよ」
「何でェ!? 耳郎ちゃん演奏も教えるのもすっごく上手だし、音楽してる時がとっても楽しそうだよ!」
「……芦戸とかさ皆はさ、ちゃんとヒーロー活動に根差した趣味じゃんね。ウチのは本当只の趣味だし……正直表立って自慢できるモンじゃないつーか……」
どことなく自信なさげに話す耳郎に上鳴が合点がいったとばかりに声を上げる。昼間耳郎の音楽を褒めようとしたらやめてくれとイヤホンをジャックさせられるところだったのだ。
「あんなに楽器できるとかめっちゃカッケーじゃん!!」
「……っ耳郎さん、人を笑顔に出来るかもしれない技だよ。十分ヒーロー活動に根差してると思うよ」
八百万が断れない雰囲気になるのはよくないと思い上鳴と口田を宥めるが、耳郎のハートには火がついていた。
「ここまで言われてやらないのも……ロックじゃないよね……」
「オオーーー!!」
「じゃあA組の出し物は――生演奏とダンスでパリピ空間の提供だ!!」
こうしてA組の出し物が決まった。あとから聞いた補習組もナイスアイデアだと絶賛し、約一ヶ月準備をすることになった。
インターン組はまたしても補習だったが、配役を残りのメンバーできめていた時の事だった。
耳郎が暗号のように聞こえる音楽ジャンルを次々言いながら、ニューレイヴ系のクラブロックをやることになった。その中で音楽経験者、楽器が出来るものを探すとなんと爆豪がドラムを完璧にやってみせた。やらないといった爆豪に耳郎が爆豪がやってくれたらいいものになるというと、爆豪はなるはずがないと答えた。
「アレだろ? 他の科のストレス発散みてーなお題目なんだろ。ストレスの原因がそんなもんやって自己満以外のなんだってんだ。ムカツク奴から素直に受け取るハズねェだろが」
「ちょっと……そんな言い方……」
「そういうのが馴れ合いだっつってんだよ」
「いやしかし……たしかに……配慮が足りなかったか……」
「話し合いに参加しねェで後から腐すなよ」
「ムカツクだろうが。俺たちだって好きで敵 に転がされてんじゃねェ……!! なんでこっちが顔色伺わなきゃなんねェ!! てめェらご機嫌取りのつもりならやめちまえ。殴るンだよ……! 馴れ合いじゃなく殴り合い……!! やるならガチで――雄英全員音で殺るぞ!!」
「バァクゴォオオ!!」
爆豪自身敵にさらわれて多大な負荷を負っているのだ。音で殺るというのにA組の心は一つになったのだ。そうして他の配役決めに移る。八百万が子供の頃からピアノをしていたため、キーボードは八百万に。ベースは耳郎が。
演出も大事である。轟の氷と切島がそれを削る。さらに青山をミラーボールに見立てスターダストみたく会場を煌めかせることに。そして歌だが――
「そういや、傀薇の歌がきれいなんだ。すげぇよく眠れる」
「轟おまえくそうらやましいことを……! どうせ膝枕までされてんだろおお!?」
「お。よくわかったな」
「くっそおおおおこのイケメンがああああ!!」
暴れる峰田を耳郎がイヤホンでぺしっと黙らせる。八百万が不安げに切り出す。「傀薇さんオペラが趣味ですの。歌唱力は抜群ですが……彼女、おそらくロックはご存じないですわ」「あー……今から覚えられるかな」「いや、インターンの補習あるだろ。今でもわりとぎりぎりだ」「なら手繰は無理かぁ……」補習があったので却下された。さすがに知らないジャンルの曲を傀薇の壊滅的な頭で補習しながらというのは無理があったのだ。
それからやはり耳郎の歌唱力が話題となり、他に候補者もいたが耳郎の歌声を聞くと満場一致で耳郎に決定したそれほどに圧倒的だったのだ。
そしてギター2本ほしいというそれに上鳴と峰田が立候補するも峰田は手が届かず断念、常闇がそれを継ぎ切ないメロディを奏でてみせ、ギターが決まったのだった。
「まぁ! わたくしをボーカルにあげてくださいましたのね。ご期待に沿えず申し訳ありませんわ。補習がやばめですの!」
「ああ……俺もサポートするから頑張ろうな」
「ええ! 頼りにしてますわ。それではわたくしダンス隊に入らせていただいても?」
「手繰ーー! 大歓迎!! 手繰舞台映えするから絶対欲しかったんだぁ!」
「強烈至極ですわ!」
「恐悦至極、な」
「そうともいいますわね!」
芦戸がさっそく決まっている振り付けを教えていく。パートの中に峰田のハーレムパートがあるらしく、轟がむすっと拗ねたのをよしよしと頭を撫でて宥めた。でも実際にやった感じだとさほど接触があるわけでもなかったのですぐ機嫌が直ったのだった。
無事に配役がおわり一ヶ月練習に明け暮れる。そうしてあっという間に時は過ぎ、文化祭当日になるのだった。
体育祭がヒーロー科の晴れ舞台だとしたら文化祭は他科が主役。そして現状寮制を始めとしたヒーロー科主体の動きにストレスを感じている者も少なからずおり、いわばガス抜きも兼ねた大事なイベントとなっていた。
さっそく出し物を決めていくが、なかなかまとまらない。傀薇も合唱団などを提案してみたがこれといった決定打にはならなかった。
そうして時間切れとなり明日の朝までに決めることになった。さもなくば問答無用で公開座学だと相澤が決めたからだ。
傀薇は緑谷たちと同じようにインターンに行っていた間の補習があり、話し合いに参加できなかったため決定に従うことにした。
傀薇たちが補習している頃轟たちは出し物について話し合っていた。
「落ち着いて考え直してみたんだが……先生の仰っていた他科のストレス。俺たちは発散の一助となる企画を出すべきだと思うんだ」
「そうですわね……ヒーローを志す者がご迷惑おかけしたままではいけませんもの」
そうして考え直し、ランチラッシュの味に慣れた雄英生をご飯系では満足させられないと却下し、続く体験系も動物園は衛生面、コントは素人芸はストレスを与えると却下。どうしたものかと考えていると、芦戸が「みんなで踊ると楽しいよ」と控えめに主張したのを轟が拾った。
「ダンス良いんじゃねえか?」
「超意外な援軍が!!」
「ちょっといいかなんかあったろなんて言うのか知らねェけど……バカ騒ぎするやつ。ああ、これだ」
「轟から出る発想じゃねーーー!!」
「パーティーピーポーになったのか轟……!? やっぱ彼女出来ると一気にリア充になっちまうのか!?」
「違ェ。飯田の意見はもっともだと思うし、そのためには皆で楽しめる場を提供するのが適してんじゃねぇか。仮免補講からの連想なんだが」
「どんな補講だったんだよ……」
轟が提案したのはライブだった。動画の中のライブは観客と一体になって楽しんでいた。仮免補講で子供の心を掴んだ轟らしい発想だった。
瀬呂が素人芸程ストレスを与えるものはないと念を押すが、なんと芦戸が教えれらた。奇怪な動きだった素人青山が一日でステップをマスターした実績は芦戸の指導者としての実力を裏付けた。では音楽といえばで真っ先に浮かんだのは耳郎である。
「耳郎ちゃんの楽器で生演奏!!」
「ちょっと待ってよ」
「何でェ!? 耳郎ちゃん演奏も教えるのもすっごく上手だし、音楽してる時がとっても楽しそうだよ!」
「……芦戸とかさ皆はさ、ちゃんとヒーロー活動に根差した趣味じゃんね。ウチのは本当只の趣味だし……正直表立って自慢できるモンじゃないつーか……」
どことなく自信なさげに話す耳郎に上鳴が合点がいったとばかりに声を上げる。昼間耳郎の音楽を褒めようとしたらやめてくれとイヤホンをジャックさせられるところだったのだ。
「あんなに楽器できるとかめっちゃカッケーじゃん!!」
「……っ耳郎さん、人を笑顔に出来るかもしれない技だよ。十分ヒーロー活動に根差してると思うよ」
八百万が断れない雰囲気になるのはよくないと思い上鳴と口田を宥めるが、耳郎のハートには火がついていた。
「ここまで言われてやらないのも……ロックじゃないよね……」
「オオーーー!!」
「じゃあA組の出し物は――生演奏とダンスでパリピ空間の提供だ!!」
こうしてA組の出し物が決まった。あとから聞いた補習組もナイスアイデアだと絶賛し、約一ヶ月準備をすることになった。
インターン組はまたしても補習だったが、配役を残りのメンバーできめていた時の事だった。
耳郎が暗号のように聞こえる音楽ジャンルを次々言いながら、ニューレイヴ系のクラブロックをやることになった。その中で音楽経験者、楽器が出来るものを探すとなんと爆豪がドラムを完璧にやってみせた。やらないといった爆豪に耳郎が爆豪がやってくれたらいいものになるというと、爆豪はなるはずがないと答えた。
「アレだろ? 他の科のストレス発散みてーなお題目なんだろ。ストレスの原因がそんなもんやって自己満以外のなんだってんだ。ムカツク奴から素直に受け取るハズねェだろが」
「ちょっと……そんな言い方……」
「そういうのが馴れ合いだっつってんだよ」
「いやしかし……たしかに……配慮が足りなかったか……」
「話し合いに参加しねェで後から腐すなよ」
「ムカツクだろうが。俺たちだって好きで
「バァクゴォオオ!!」
爆豪自身敵にさらわれて多大な負荷を負っているのだ。音で殺るというのにA組の心は一つになったのだ。そうして他の配役決めに移る。八百万が子供の頃からピアノをしていたため、キーボードは八百万に。ベースは耳郎が。
演出も大事である。轟の氷と切島がそれを削る。さらに青山をミラーボールに見立てスターダストみたく会場を煌めかせることに。そして歌だが――
「そういや、傀薇の歌がきれいなんだ。すげぇよく眠れる」
「轟おまえくそうらやましいことを……! どうせ膝枕までされてんだろおお!?」
「お。よくわかったな」
「くっそおおおおこのイケメンがああああ!!」
暴れる峰田を耳郎がイヤホンでぺしっと黙らせる。八百万が不安げに切り出す。「傀薇さんオペラが趣味ですの。歌唱力は抜群ですが……彼女、おそらくロックはご存じないですわ」「あー……今から覚えられるかな」「いや、インターンの補習あるだろ。今でもわりとぎりぎりだ」「なら手繰は無理かぁ……」補習があったので却下された。さすがに知らないジャンルの曲を傀薇の壊滅的な頭で補習しながらというのは無理があったのだ。
それからやはり耳郎の歌唱力が話題となり、他に候補者もいたが耳郎の歌声を聞くと満場一致で耳郎に決定したそれほどに圧倒的だったのだ。
そしてギター2本ほしいというそれに上鳴と峰田が立候補するも峰田は手が届かず断念、常闇がそれを継ぎ切ないメロディを奏でてみせ、ギターが決まったのだった。
「まぁ! わたくしをボーカルにあげてくださいましたのね。ご期待に沿えず申し訳ありませんわ。補習がやばめですの!」
「ああ……俺もサポートするから頑張ろうな」
「ええ! 頼りにしてますわ。それではわたくしダンス隊に入らせていただいても?」
「手繰ーー! 大歓迎!! 手繰舞台映えするから絶対欲しかったんだぁ!」
「強烈至極ですわ!」
「恐悦至極、な」
「そうともいいますわね!」
芦戸がさっそく決まっている振り付けを教えていく。パートの中に峰田のハーレムパートがあるらしく、轟がむすっと拗ねたのをよしよしと頭を撫でて宥めた。でも実際にやった感じだとさほど接触があるわけでもなかったのですぐ機嫌が直ったのだった。
無事に配役がおわり一ヶ月練習に明け暮れる。そうしてあっという間に時は過ぎ、文化祭当日になるのだった。
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