すっかりコスチュームも冬仕様となり、傀薇もケープを追加して暖をとっていた。もこもこしたそれに轟が「かわいいな」と素直に褒める。「ふふ、これ可愛いだけじゃなくてあったかいんですの」と温そうにする傀薇に「俺の方が温い」と炎を出してくれた。まったく天然で負けず嫌いな恋人である。二人の様子をまたも峰田が血涙を流してみていた。
今日の授業はなんとA組とB組の対抗戦である。そこにゲストとして普通科の心操が現れた。どうやら彼も交えての授業らしい。心操がじっと傀薇を見ていた。体育祭で洗脳にかけられたがそれは尾白や鉄哲たちも同じである、それなのにまっすぐ傀薇だけを見る心操に轟が「仲いいのか?」と問いかけてきた「いいえ、交流はないはずですわ」まったく心当たりがなかった。そして相澤が心操に一言挨拶をと促す。
「何名かは既に体育祭で接したけれど、拳を交えたら友達とか……そんなスポーツマンシップ掲げられるような気持のいい人間じゃありません。俺はもう何十歩も出遅れてる。悪いけど必死です。立派なヒーローになって俺の個性≠人の為に使いたい。この場の皆が超えるべき壁です。馴れ合うつもりはありません」
心操のギラついた挨拶に初期の轟を彷彿させる。それを聞いた轟がはっとしたように傀薇に向き合い、「俺と似てんなら傀薇が好きなのかもしんねェ」と迷推理をした。「さすがにそれはないと思いますわ」到底好きな人を見るような目ではなかった。それよりあれはどちらかというと、夜嵐がエンデヴァーに向けていたものと同じかもしれない。まったくもって心当たりがないが。
そうしてチーム分けだが、ふと疑問が湧いた。B組は20人なのにA組は21人なのだ。
「先生、なぜA組は21人ですの? 今更かもですけれどわたくし気になりますわ」
「お前がそれをいうとはね……入試で変な奴が二人いたんだよ。一人は筆記は申し分ないがレスキューPのみで実技を乗り切った者、もう一人は筆記こそギリギリ合格圏内だったが実技で圧倒的カリスマを発揮した者」
「それって……」
「僕と手繰さん……!?」
「そう。本来ならどっちかを落とすんだが……お前らは色々規格外だっただからどっちも合格させたんだよ。よってA組 はB組より一人多い」
「まぁ……! わたくしたち選ばれた存在でしたのねぇ」
「(手繰さん相変わらずポジティブだなぁ)よ、よかったぁ……」
そうして話している最中も心操は傀薇をじっと見ていた。むしろ眼光が鋭くなっている。穴が開きそうである。瀬呂が見兼ねて「なぁお前なんかしたんじゃねぇの!?」とこっそり話しかけてくるが「んー……心当たりありませんわね」と頭を振った。
そうしてチーム分けとなったのだが、傀薇は最後のチームで緑谷、麗日、峰田、芦戸と同じチームだった。緑谷と同じになったことで「崖っぷち組一緒かー!」などと瀬呂が言い出したことで緑谷と傀薇は以後崖っぷち組と称されるようになった。
対戦相手はあの心操がおり、傀薇はもしや同じ洗脳できる者として意識されている? と思うことにした。が──
「手繰さんえっと……体育祭より前に心操くんと話したことってあったりする?」
「体育祭より前? 全く心当たりありませんわ。てっきりあの方同じ洗脳の側面を持つ個性持ちとして意識しているのかと思っていたのですけれど、違うようですわね」
「ええ……あの口ぶりだと絶対知り合いだと思ったんだけどなぁ」
「あの口ぶり?」
「えっと……その、お高く留まってる、とか……」
「お高く……あ、それ障害物競争のときに誰かがいってましたわ。彼でしたのね」
「えええ……やっぱ知り合いじゃないの手繰さん……」
緑谷にそうは言われても全く心当たりがなかった。黙って二人の話を聞いていた轟と瀬呂が「お高く……?」「いや手繰だいぶとっつきやすいぞ、バカだし」「心操が誰かと間違えてるんじゃないか?」「でもこんな目立つ奴間違えっかねぇ。やっぱお前どっかでかあほなこといって怒らせたんじゃね?」「そうなのかしら……?」まったくもってわからなかった。
そうしている間にさっそく第一セットが始まる。心操も参加するそれに対戦相手として注視することにした。
「心操のペルソナコード、厄介ですわね」
「うん、そこにいるだけで脅威になる」
「わたくし実はコミュニケーション手段が別にとれますの」
「それって俺の身体に手繰が入ったりとかか!?」
「峰田さいてー」
「そうじゃありませんわ。たゆまぬ努力で身に着けたテレパスでしてよ。針を通信機にしますの。けれどまだわたくしの声を届けることしかできませんの。みなさんの声を通信させるのは無理ですわ」
「いやそれでも十分だよ手繰さん! 手繰さんの肉声は全部心操くんってことになる。僕たちの中で一つ外れができたのは大きい」
「うんうん! 手繰さんすごいよ!」
そうして作戦会議していると時間も過ぎ、第二セットの試合となった。
終盤A組の優勢かと思いきや、小森の奥の手肺攻めスエヒロダケちゃんで形勢逆転、4−0でB組の勝利だった。轟は八百万がまた落ち込まないといいと期末のことがあったため心配する。それに傀薇は「百はもうくよくよしませんわ。あのほら……百が仮免のときいってました点滴先生ですわ!」とあっけらかんと言い放った。「点滴穿石だ。お前が言うならそうなんだろうな」轟の言葉にうんうんと頷いた。
第三セットは轟達の試合だった。轟の熱をもろともしない鉄哲がすごかった。けれど轟も炎の温度を更に上げようと自分を超えようとした。赫灼熱拳 を撃とうとしたとき骨抜が現れ、支柱を倒し轟を気絶させた。飯田が迅速に救助しようとするが、更に建物を柔化させて鉄哲にそれを押させ、それが飯田の足の上に落ち動けなくなってしまう。四人全員がダウンするものの、回原と尾白がそれぞれ激カワ据え置きプリズンに、残りは障子と角取だったが、角取が負けさせないために四人を連れて上昇した。飛行手段を持たない障子はどうもできず、結果引き分けで終わった。
第四セットはとにかくすごかった。その試合なんと5分足らずで0−4でA組の勝利だった。
なんとあの爆豪がチームを助け、さらにチームを信頼し自分のピンチを任せたのだ。見事なチームワークで爆豪のワンマンによるストレスを誘発して共倒れする作戦を狙っていたB組チームは意表を突かれ完全敗北したのだった。
そしていよいよ第五セット。傀薇たちの試合が今始まる――。
今日の授業はなんとA組とB組の対抗戦である。そこにゲストとして普通科の心操が現れた。どうやら彼も交えての授業らしい。心操がじっと傀薇を見ていた。体育祭で洗脳にかけられたがそれは尾白や鉄哲たちも同じである、それなのにまっすぐ傀薇だけを見る心操に轟が「仲いいのか?」と問いかけてきた「いいえ、交流はないはずですわ」まったく心当たりがなかった。そして相澤が心操に一言挨拶をと促す。
「何名かは既に体育祭で接したけれど、拳を交えたら友達とか……そんなスポーツマンシップ掲げられるような気持のいい人間じゃありません。俺はもう何十歩も出遅れてる。悪いけど必死です。立派なヒーローになって俺の個性≠人の為に使いたい。この場の皆が超えるべき壁です。馴れ合うつもりはありません」
心操のギラついた挨拶に初期の轟を彷彿させる。それを聞いた轟がはっとしたように傀薇に向き合い、「俺と似てんなら傀薇が好きなのかもしんねェ」と迷推理をした。「さすがにそれはないと思いますわ」到底好きな人を見るような目ではなかった。それよりあれはどちらかというと、夜嵐がエンデヴァーに向けていたものと同じかもしれない。まったくもって心当たりがないが。
そうしてチーム分けだが、ふと疑問が湧いた。B組は20人なのにA組は21人なのだ。
「先生、なぜA組は21人ですの? 今更かもですけれどわたくし気になりますわ」
「お前がそれをいうとはね……入試で変な奴が二人いたんだよ。一人は筆記は申し分ないがレスキューPのみで実技を乗り切った者、もう一人は筆記こそギリギリ合格圏内だったが実技で圧倒的カリスマを発揮した者」
「それって……」
「僕と手繰さん……!?」
「そう。本来ならどっちかを落とすんだが……お前らは色々規格外だっただからどっちも合格させたんだよ。よって
「まぁ……! わたくしたち選ばれた存在でしたのねぇ」
「(手繰さん相変わらずポジティブだなぁ)よ、よかったぁ……」
そうして話している最中も心操は傀薇をじっと見ていた。むしろ眼光が鋭くなっている。穴が開きそうである。瀬呂が見兼ねて「なぁお前なんかしたんじゃねぇの!?」とこっそり話しかけてくるが「んー……心当たりありませんわね」と頭を振った。
そうしてチーム分けとなったのだが、傀薇は最後のチームで緑谷、麗日、峰田、芦戸と同じチームだった。緑谷と同じになったことで「崖っぷち組一緒かー!」などと瀬呂が言い出したことで緑谷と傀薇は以後崖っぷち組と称されるようになった。
対戦相手はあの心操がおり、傀薇はもしや同じ洗脳できる者として意識されている? と思うことにした。が──
「手繰さんえっと……体育祭より前に心操くんと話したことってあったりする?」
「体育祭より前? 全く心当たりありませんわ。てっきりあの方同じ洗脳の側面を持つ個性持ちとして意識しているのかと思っていたのですけれど、違うようですわね」
「ええ……あの口ぶりだと絶対知り合いだと思ったんだけどなぁ」
「あの口ぶり?」
「えっと……その、お高く留まってる、とか……」
「お高く……あ、それ障害物競争のときに誰かがいってましたわ。彼でしたのね」
「えええ……やっぱ知り合いじゃないの手繰さん……」
緑谷にそうは言われても全く心当たりがなかった。黙って二人の話を聞いていた轟と瀬呂が「お高く……?」「いや手繰だいぶとっつきやすいぞ、バカだし」「心操が誰かと間違えてるんじゃないか?」「でもこんな目立つ奴間違えっかねぇ。やっぱお前どっかでかあほなこといって怒らせたんじゃね?」「そうなのかしら……?」まったくもってわからなかった。
そうしている間にさっそく第一セットが始まる。心操も参加するそれに対戦相手として注視することにした。
「心操のペルソナコード、厄介ですわね」
「うん、そこにいるだけで脅威になる」
「わたくし実はコミュニケーション手段が別にとれますの」
「それって俺の身体に手繰が入ったりとかか!?」
「峰田さいてー」
「そうじゃありませんわ。たゆまぬ努力で身に着けたテレパスでしてよ。針を通信機にしますの。けれどまだわたくしの声を届けることしかできませんの。みなさんの声を通信させるのは無理ですわ」
「いやそれでも十分だよ手繰さん! 手繰さんの肉声は全部心操くんってことになる。僕たちの中で一つ外れができたのは大きい」
「うんうん! 手繰さんすごいよ!」
そうして作戦会議していると時間も過ぎ、第二セットの試合となった。
終盤A組の優勢かと思いきや、小森の奥の手肺攻めスエヒロダケちゃんで形勢逆転、4−0でB組の勝利だった。轟は八百万がまた落ち込まないといいと期末のことがあったため心配する。それに傀薇は「百はもうくよくよしませんわ。あのほら……百が仮免のときいってました点滴先生ですわ!」とあっけらかんと言い放った。「点滴穿石だ。お前が言うならそうなんだろうな」轟の言葉にうんうんと頷いた。
第三セットは轟達の試合だった。轟の熱をもろともしない鉄哲がすごかった。けれど轟も炎の温度を更に上げようと自分を超えようとした。
第四セットはとにかくすごかった。その試合なんと5分足らずで0−4でA組の勝利だった。
なんとあの爆豪がチームを助け、さらにチームを信頼し自分のピンチを任せたのだ。見事なチームワークで爆豪のワンマンによるストレスを誘発して共倒れする作戦を狙っていたB組チームは意表を突かれ完全敗北したのだった。
そしていよいよ第五セット。傀薇たちの試合が今始まる――。
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