第五セット傀薇たちのチームは緑谷が囮となって動くことにした。残りの傀薇、麗日、芦戸、峰田で固まって動く。第四セットの爆豪たちとバランスも似ているため、似たような作戦で行くことにしたのだ。ただ索敵できる個性がいないため緑谷が爆豪以上のはたらきをする必要があった。
「不思議なもんだよねぇ。心操、明らか手繰意識してんじゃん」
「オイラもそう思うぞ。手繰のことタイプなんじゃね?」
「そんなんじゃありませんわよ。そんないいものではなさそうですもの」
動いている途中、そんな話をしていると麗日の悲鳴が聞こえた。でも麗日ではない。おそらく心操がペルソナコードを使って麗日の声を出したのだ。
峰田が仕掛けを作っていると何かがくっついた。柳のポルターガイストだった。あてずっぽうで流れてくるそれが小大のサイズでいきなり大きくなる。麗日が浮かせたそれを傀薇がマリオネットで操作した瞬間――
「手繰!!」
庄田のツインインパクトが決まった。突然のことで対応が遅れた傀薇はまともに食らってしまう。モニター組の方でも「もろ入ったぞ!」「大丈夫か手繰!?」「ああ太陽……お労しい」と心配する声が出ていたが、轟と八百万はどっしり構えていた。これくらい では傀薇はびくともしないというのをわかっていたからだ。
「びっくりしましたわ!」
「わー! すごい手繰無傷だー!!」
「フィジカルには自信がありますの!」
けれど今ので自分たちのいる方向がばれてしまった。心操が向かってくるだろう。とにかく移動しなければと進む。小大と庄田の個性を合わせたものが柳のポルターガイストでとんでくるが、傀薇が負けじとそれらを支配下に置いていく。麗日が浮かし傀薇の負担を減らしている間芦戸と峰田で罠を作り移動ルートを確保しようとしていたところ、それが起きた。
「なんだ!?」
「うわあ!!」
「っこの!」
よくわからない黒い鞭のようなものが襲ってきた。麗日が黒い鞭が緑谷から出ていることを確認する。明らか暴走しているそれに気づいた傀薇が麗日に体を浮かしてもらい一緒に緑谷の下へ急行した。
「止まれ、止まれ……止まれ!!」
「デクくん! 落ち着け……!」
「緑谷……!!」
麗日が緑谷に捕まって鎮めようとすると、傀薇は緑谷の掌から出ている黒い鞭を一纏めにし、暴走させまいと力を込めた。
「ううううっ!! なんのこれしきっっですわあああああ!!」
腕からみしみしとよくない音がする。でも緑谷が苦しんでる。麗日がそばにいる。守らなくては、傀薇が守らなくては。近くにいた心操が驚いた顔をしていた。「おまえは……いつも……」いつもってなんですのわたくしたちやっぱりどこかで会ってますの。もう傀薇はわからなかった。けれど特別参加者 がいるなら余計負けるわけにはいかないのだ。心操は経験が浅い、守らなくてはならない対象だった。
「緑谷しっかりなさって! あなたの力ですわ! 信じて……!!」
いつかの個性把握テストで投げかけたそれを再び口にする。怖がっている、これはダメだそんな心持ちでは個性は扱えない。不安は、恐怖は個性に伝わってしまうものなのだ。精神を乗っ取るのがきっと確実だ。でも鞭を抑えるので手一杯の傀薇にはできそうもなかった。ああ、でもここには……心操がいる。傀薇は守るべきだという己の心の一方で、心操の言葉を思い出す。「立派なヒーローになって俺の個性≠人の為に使いたい」その一言は確かにヒーロー志望なのだ。傀薇は心操をヒーローとして見ることに決めた。お願い心操、どうか応えて。
「心操……! 緑谷に洗脳を……!!」
「デクくん止めてあげて !!」
「!!(手繰傀薇が俺を頼った……!? いや、そんなことより緑谷に洗脳を! 何か!! 何を問う。ワクワクしてた。あの時とは違う俺を見せてやれるって。また戦えるって! 楽しみにしてたんだぜ!!)緑谷ァ!! 俺と戦おうぜ!!」
「〜〜〜〜〜〜ん゛ん゛ぉ゛お゛応!!」
洗脳がかかった緑谷は糸が切れた人形のように落ち着いた。
麗日がバチンと緑谷をビンタして起こす。はっとした緑谷がボロボロの麗日と傀薇を見てものすごく何てことを狼狽えていた。だがすぐに物間が奇襲に入り、他の面々も合流して大乱闘になった。
「っ……心操の相手はわたくしがしますわ……!」
「手繰さんっ腕から血が……!」
「これくらいなんともありませんわ。あなた方は他の方々の相手を……!」
この中で一番厄介な個性を持っているのは心操であった。傀薇も同じ精神干渉ができるからこそわかる。捕縛布の性質も期末試験で相澤と当たったときに理解している。適任は自分だという自負があった。
「やっぱり来たか、手繰傀薇……!」
それに心操は傀薇をずっと気にしていたようだから。
「返事が返ってこないのが悲しいが、まぁいいさ……俺はずっとおまえと戦いたかったんだ! なんでだって思ってるよな。そりゃそうさ、手繰傀薇にとって俺は道端の石ころだったんだろうからよ!」
まったくもって心当たりがない。怪訝な顔を浮かべる傀薇に心操が説明してくれた。
「忘れもしないヒーロー科の入試、お前は天下無双の活躍を見せた。0P敵にも一切背を向けず、お前はただ一人立ち向かった! 逃げるように言った俺に対し「ラスボスを前に尻尾を巻いて逃げるヒーローはいない、恥を知れ」と一喝してな!」
そこでようやく傀薇はああ! あのときの!! と合点がいく。瀬呂が言った通り傀薇が何か言ったというのは当たっていたのだ。思わず声に出してしまうところだった。
「なァ手繰傀薇……俺はおまえの心にどうやったら爪痕を残せるかって体育祭までそればかり考えてたよ」
意外な告白に傀薇は何と言ったらいいかわからなかった。傀薇が夜嵐がエンデヴァーに向けていたものと同じものを感じたのは何も間違いではなかったのだ。
「不思議なもんだよねぇ。心操、明らか手繰意識してんじゃん」
「オイラもそう思うぞ。手繰のことタイプなんじゃね?」
「そんなんじゃありませんわよ。そんないいものではなさそうですもの」
動いている途中、そんな話をしていると麗日の悲鳴が聞こえた。でも麗日ではない。おそらく心操がペルソナコードを使って麗日の声を出したのだ。
峰田が仕掛けを作っていると何かがくっついた。柳のポルターガイストだった。あてずっぽうで流れてくるそれが小大のサイズでいきなり大きくなる。麗日が浮かせたそれを傀薇がマリオネットで操作した瞬間――
「手繰!!」
庄田のツインインパクトが決まった。突然のことで対応が遅れた傀薇はまともに食らってしまう。モニター組の方でも「もろ入ったぞ!」「大丈夫か手繰!?」「ああ太陽……お労しい」と心配する声が出ていたが、轟と八百万はどっしり構えていた。
「びっくりしましたわ!」
「わー! すごい手繰無傷だー!!」
「フィジカルには自信がありますの!」
けれど今ので自分たちのいる方向がばれてしまった。心操が向かってくるだろう。とにかく移動しなければと進む。小大と庄田の個性を合わせたものが柳のポルターガイストでとんでくるが、傀薇が負けじとそれらを支配下に置いていく。麗日が浮かし傀薇の負担を減らしている間芦戸と峰田で罠を作り移動ルートを確保しようとしていたところ、それが起きた。
「なんだ!?」
「うわあ!!」
「っこの!」
よくわからない黒い鞭のようなものが襲ってきた。麗日が黒い鞭が緑谷から出ていることを確認する。明らか暴走しているそれに気づいた傀薇が麗日に体を浮かしてもらい一緒に緑谷の下へ急行した。
「止まれ、止まれ……止まれ!!」
「デクくん! 落ち着け……!」
「緑谷……!!」
麗日が緑谷に捕まって鎮めようとすると、傀薇は緑谷の掌から出ている黒い鞭を一纏めにし、暴走させまいと力を込めた。
「ううううっ!! なんのこれしきっっですわあああああ!!」
腕からみしみしとよくない音がする。でも緑谷が苦しんでる。麗日がそばにいる。守らなくては、傀薇が守らなくては。近くにいた心操が驚いた顔をしていた。「おまえは……いつも……」いつもってなんですのわたくしたちやっぱりどこかで会ってますの。もう傀薇はわからなかった。けれど
「緑谷しっかりなさって! あなたの力ですわ! 信じて……!!」
いつかの個性把握テストで投げかけたそれを再び口にする。怖がっている、これはダメだそんな心持ちでは個性は扱えない。不安は、恐怖は個性に伝わってしまうものなのだ。精神を乗っ取るのがきっと確実だ。でも鞭を抑えるので手一杯の傀薇にはできそうもなかった。ああ、でもここには……心操がいる。傀薇は守るべきだという己の心の一方で、心操の言葉を思い出す。「立派なヒーローになって俺の個性≠人の為に使いたい」その一言は確かにヒーロー志望なのだ。傀薇は心操をヒーローとして見ることに決めた。お願い心操、どうか応えて。
「心操……! 緑谷に洗脳を……!!」
「デクくん
「!!(手繰傀薇が俺を頼った……!? いや、そんなことより緑谷に洗脳を! 何か!! 何を問う。ワクワクしてた。あの時とは違う俺を見せてやれるって。また戦えるって! 楽しみにしてたんだぜ!!)緑谷ァ!! 俺と戦おうぜ!!」
「〜〜〜〜〜〜ん゛ん゛ぉ゛お゛応!!」
洗脳がかかった緑谷は糸が切れた人形のように落ち着いた。
麗日がバチンと緑谷をビンタして起こす。はっとした緑谷がボロボロの麗日と傀薇を見てものすごく何てことを狼狽えていた。だがすぐに物間が奇襲に入り、他の面々も合流して大乱闘になった。
「っ……心操の相手はわたくしがしますわ……!」
「手繰さんっ腕から血が……!」
「これくらいなんともありませんわ。あなた方は他の方々の相手を……!」
この中で一番厄介な個性を持っているのは心操であった。傀薇も同じ精神干渉ができるからこそわかる。捕縛布の性質も期末試験で相澤と当たったときに理解している。適任は自分だという自負があった。
「やっぱり来たか、手繰傀薇……!」
それに心操は傀薇をずっと気にしていたようだから。
「返事が返ってこないのが悲しいが、まぁいいさ……俺はずっとおまえと戦いたかったんだ! なんでだって思ってるよな。そりゃそうさ、手繰傀薇にとって俺は道端の石ころだったんだろうからよ!」
まったくもって心当たりがない。怪訝な顔を浮かべる傀薇に心操が説明してくれた。
「忘れもしないヒーロー科の入試、お前は天下無双の活躍を見せた。0P敵にも一切背を向けず、お前はただ一人立ち向かった! 逃げるように言った俺に対し「ラスボスを前に尻尾を巻いて逃げるヒーローはいない、恥を知れ」と一喝してな!」
そこでようやく傀薇はああ! あのときの!! と合点がいく。瀬呂が言った通り傀薇が何か言ったというのは当たっていたのだ。思わず声に出してしまうところだった。
「なァ手繰傀薇……俺はおまえの心にどうやったら爪痕を残せるかって体育祭までそればかり考えてたよ」
意外な告白に傀薇は何と言ったらいいかわからなかった。傀薇が夜嵐がエンデヴァーに向けていたものと同じものを感じたのは何も間違いではなかったのだ。
戻る