すっかり退院して寮へ戻ったころ、ドアに手紙が挟まっていた。
それは緑谷からの手紙で書いてあったのは今までありがとうという感謝から始まり、緑谷の個性に関する秘密が綴ってあった。自分の個性はオールマイトからもらった特別なもので、そしてそれをオール・フォー・ワンが狙っている事。だからみんなに危険が及ばないように雄英を去るというものだった。
「緑谷……あなた……」
傀薇の手紙には「君が僕の個性だって誰よりも信じてくれたことが嬉しかった。ありがとう」と締めくくられていた。オールマイトからもらった個性という意識があったのだろう、それでもそれを緑谷の個性と肯定した傀薇の存在は無個性だった緑谷からしたら大きかったのかもしれない。
傀薇は雄英を去ってオール・フォー・ワンからの追撃を受けているだろう緑谷を思うと心配でたまらなかった。
「傀薇、手紙見たか」
「ええ、その様子ですと焦凍も」
「ああ……」
くしゃっと強く握りしめられた手紙があった。緑谷は轟にとって大事な友達である。轟に初めて声を届けた者、轟に本当になりたかったものを思い出させてくれた恩人である。
轟が緑谷をとても心配していることが痛いほど伝わってきた。
「親父に連絡してんだ。なにか知ってるはずだと思って。なのにあいつ連絡つかねぇ……いつもは下らねぇ連絡すぐよこす癖に」
「焦凍……」
「緑谷が心配だ。あいつ自分の身体省みねぇから……無茶してんだろうな」
「ええ……きっと緑谷は無茶しますわ……」
大丈夫なわけがなかった。こういう状況になった緑谷が一番危ないのだ。緑谷は非常に仲間思いでヒーロー気質である。傀薇たちのことも守る対象にいれているのは明白で、むしろ守るために無茶をしているのが手を取るようにわかってしまった。
今外は地獄である。難攻不落であった牢獄タルタロスが陥落した。外は犯罪者たちが集まり、人手が足りないというのにヒーローは責任を問われ心を折り辞職するものが後を絶たなかった。
この状況で外に出ている緑谷はきっと駆け回っている。満足に休めているだろうか、ご飯は食べているだろうか……心配でたまらなかった。
「推測でしかねェけど……」
「あのクソナード!! 十中八九エンデヴァーたちといる」
「推測……? 連絡をして確認を取ったんじゃないのか? 君たち3人の師に……」
「幾度もしたさ。だが電話にはでなかった」
「ジーパンも」
「親父もだ。忙しいとは言え不自然だ。俺たちに隠し事してるとしか思えねぇ」
授業は停止、進級も留め置かれている状態で、緑谷と接触したのは病院でのベストジーニストとホークス、そしてオールマイトだけであった。そこから導き出される答えとして雄英に近づくことすら恐れている緑谷がこの手紙を夜中に仕込んだとは思えない、間違いなくオールマイトだという爆豪には説得力があった。
「じゃあ連絡手段をどうするか!!? だな!!」
「エンデヴァーって雄英卒だよね…………強引に行こう」
そうして数日後校長の協力を得てエンデヴァーの招致に成功する。
A組全員制服を正し、校長室に赴いた。
「校長、ハメましたね…………!?」
「彼らの話を聞いて対話の余地があると判断した。私は常にアップデートするのさ」
「何で俺のことスルーした? 燈矢兄を一緒に止めようって言ったよな!?」
「焦凍、その気持ちだけで俺は救われているんだ」
「俺は救われねぇよ。緑谷だけは例外か!? エンデヴァー、デクとオールマイト二人にしてるだろ」
エンデヴァーの表情でそれは確信に変わる。やっぱり緑谷とオールマイトは一緒にいて、エンデヴァー何らかの手段で居場所を把握している。
「っぱな。あぁ正しいと思うぜ。概ね正しい選択だよ……! デクの事……わかってねぇんだ……デクは……イカレてんだよ頭ぁ。自分を勘定に入れねぇ大丈夫だって……オールマイトそうやって平和の象徴になったからデクを止められねぇ。エンデヴァー! 二人にしちゃいけない奴等なんだよ!」
エンデヴァーの脳裏にオールマイトすら振り切った緑谷が浮かんだ。同じスピードで緑谷と歩めない不甲斐なさ。その気持ちが現れたのか、GPSの通信機をA組に見せてしまう。それを逃さず瀬呂たちが飛び込んでキャッチした。
「こっ……これ借りていースか!? あのっ……俺! 偶々同じクラスになっただけスけど!」
「僕も……一年一緒に過ごしただけだけど」
「オール・フォー・ワンの悩みを打ち明けてくんなかったのも、あんな手紙で納得すると思われてんのもショックだけど――」
「それでも緑谷はわたくしたちの大事なA組の一員ですわ」
「我々A組は彼について行き彼と行動します。オール・フォー・ワンがどれだけ大きな責任を伴っていようが緑谷くんは友だちです。友人が茨の道を歩んでいると知りながら、明日を笑う事は出来ません」
それがA組が出した答えだった。けれど校長は雄英に戻ってきていいのだという。合格通知を出した以上は私たちが守るべき生徒だと。
雄英に避難している避難者の安全に関してはよりグレードアップしたセキュリティ雄英バリア≠ェある上に自分から説明してくれると話してくれた。
「いいんだよ……オールマイトだってここで育った! 君たちの手で……連れ戻してあげておくれ」
そうしてA組全員が正式任務を受ける。エンデヴァーたちの協力の下、緑谷出久の安全を確保するという任務だった。
それは緑谷からの手紙で書いてあったのは今までありがとうという感謝から始まり、緑谷の個性に関する秘密が綴ってあった。自分の個性はオールマイトからもらった特別なもので、そしてそれをオール・フォー・ワンが狙っている事。だからみんなに危険が及ばないように雄英を去るというものだった。
「緑谷……あなた……」
傀薇の手紙には「君が僕の個性だって誰よりも信じてくれたことが嬉しかった。ありがとう」と締めくくられていた。オールマイトからもらった個性という意識があったのだろう、それでもそれを緑谷の個性と肯定した傀薇の存在は無個性だった緑谷からしたら大きかったのかもしれない。
傀薇は雄英を去ってオール・フォー・ワンからの追撃を受けているだろう緑谷を思うと心配でたまらなかった。
「傀薇、手紙見たか」
「ええ、その様子ですと焦凍も」
「ああ……」
くしゃっと強く握りしめられた手紙があった。緑谷は轟にとって大事な友達である。轟に初めて声を届けた者、轟に本当になりたかったものを思い出させてくれた恩人である。
轟が緑谷をとても心配していることが痛いほど伝わってきた。
「親父に連絡してんだ。なにか知ってるはずだと思って。なのにあいつ連絡つかねぇ……いつもは下らねぇ連絡すぐよこす癖に」
「焦凍……」
「緑谷が心配だ。あいつ自分の身体省みねぇから……無茶してんだろうな」
「ええ……きっと緑谷は無茶しますわ……」
大丈夫なわけがなかった。こういう状況になった緑谷が一番危ないのだ。緑谷は非常に仲間思いでヒーロー気質である。傀薇たちのことも守る対象にいれているのは明白で、むしろ守るために無茶をしているのが手を取るようにわかってしまった。
今外は地獄である。難攻不落であった牢獄タルタロスが陥落した。外は犯罪者たちが集まり、人手が足りないというのにヒーローは責任を問われ心を折り辞職するものが後を絶たなかった。
この状況で外に出ている緑谷はきっと駆け回っている。満足に休めているだろうか、ご飯は食べているだろうか……心配でたまらなかった。
「推測でしかねェけど……」
「あのクソナード!! 十中八九エンデヴァーたちといる」
「推測……? 連絡をして確認を取ったんじゃないのか? 君たち3人の師に……」
「幾度もしたさ。だが電話にはでなかった」
「ジーパンも」
「親父もだ。忙しいとは言え不自然だ。俺たちに隠し事してるとしか思えねぇ」
授業は停止、進級も留め置かれている状態で、緑谷と接触したのは病院でのベストジーニストとホークス、そしてオールマイトだけであった。そこから導き出される答えとして雄英に近づくことすら恐れている緑谷がこの手紙を夜中に仕込んだとは思えない、間違いなくオールマイトだという爆豪には説得力があった。
「じゃあ連絡手段をどうするか!!? だな!!」
「エンデヴァーって雄英卒だよね…………強引に行こう」
そうして数日後校長の協力を得てエンデヴァーの招致に成功する。
A組全員制服を正し、校長室に赴いた。
「校長、ハメましたね…………!?」
「彼らの話を聞いて対話の余地があると判断した。私は常にアップデートするのさ」
「何で俺のことスルーした? 燈矢兄を一緒に止めようって言ったよな!?」
「焦凍、その気持ちだけで俺は救われているんだ」
「俺は救われねぇよ。緑谷だけは例外か!? エンデヴァー、デクとオールマイト二人にしてるだろ」
エンデヴァーの表情でそれは確信に変わる。やっぱり緑谷とオールマイトは一緒にいて、エンデヴァー何らかの手段で居場所を把握している。
「っぱな。あぁ正しいと思うぜ。概ね正しい選択だよ……! デクの事……わかってねぇんだ……デクは……イカレてんだよ頭ぁ。自分を勘定に入れねぇ大丈夫だって……オールマイトそうやって平和の象徴になったからデクを止められねぇ。エンデヴァー! 二人にしちゃいけない奴等なんだよ!」
エンデヴァーの脳裏にオールマイトすら振り切った緑谷が浮かんだ。同じスピードで緑谷と歩めない不甲斐なさ。その気持ちが現れたのか、GPSの通信機をA組に見せてしまう。それを逃さず瀬呂たちが飛び込んでキャッチした。
「こっ……これ借りていースか!? あのっ……俺! 偶々同じクラスになっただけスけど!」
「僕も……一年一緒に過ごしただけだけど」
「オール・フォー・ワンの悩みを打ち明けてくんなかったのも、あんな手紙で納得すると思われてんのもショックだけど――」
「それでも緑谷はわたくしたちの大事なA組の一員ですわ」
「我々A組は彼について行き彼と行動します。オール・フォー・ワンがどれだけ大きな責任を伴っていようが緑谷くんは友だちです。友人が茨の道を歩んでいると知りながら、明日を笑う事は出来ません」
それがA組が出した答えだった。けれど校長は雄英に戻ってきていいのだという。合格通知を出した以上は私たちが守るべき生徒だと。
雄英に避難している避難者の安全に関してはよりグレードアップしたセキュリティ雄英バリア≠ェある上に自分から説明してくれると話してくれた。
「いいんだよ……オールマイトだってここで育った! 君たちの手で……連れ戻してあげておくれ」
そうしてA組全員が正式任務を受ける。エンデヴァーたちの協力の下、緑谷出久の安全を確保するという任務だった。
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