「あらまぁ、個性被ってますわ」
「ダツゴク確保! やりましたねバクゴーさん!」
「大・爆・殺・神ダイナマイトじゃ!」
「失礼しましたわ!」
緑谷を襲っていたダツゴクが糸で市民を操っていたのを見た傀薇が困ったような顔をした。轟がダツゴクを凍らせて身動きを封じると「おまえの手捌きの方がずっと繊細だ」とフォローをした。
緑谷はA組の姿を見つけると「皆……何で……」と震える声でつぶやいた。
「心配だからだよ」
「僕は大丈夫だよ。だから……心配しないで……離れて……」
「そいつぁよかった! さすがOFA 継承者様だぜ! ンでてめェ〜は今笑えてンの かよ?」
「……笑う為に安心してもらう為に……行かなきゃ……だから……どいてよ皆……!」
「どかせてみろよオールマイト気取りが!!!」
「緑谷くん が変わらない のは知っている――やるぞ諸君!」
「うん」
「……ありがとう……来てくれて……」
速攻煙幕が飛んだ。爆豪が爆風で消し飛ばす。
口田が戻ってくるよう呼びかける。瀬呂が垂らしてあった黒鞭を拘束して話しかける。耳郎が文化祭でノートのまとめ方を教えてくれて嬉しかったと口にした。尾白が体育祭のとき自分の為に怒ってくれたことを忘れないと言った。
「おまえだけ がボロボロになって戦うなんて見過ごせない!」
「僕がいると……皆が危険なんだ……!AFO に奪われる……! だから離れたんだ……!!!」
単純な強さもそうだが意志も強くなっていた。皆を守りたいという思い、次は君だとオールマイトに託されたそれが緑谷を追い詰めていた。
砂藤が自分たちの気持ちも一緒だという。八百万が緑谷を眠らせる装置を創造して初めはみんなで緑谷について行くつもりだったと告白する。上鳴がオール・フォー・ワンも大事だが今の緑谷にはもっと大事なことがあるはずだと説いた。障子が八百万製の絶縁テープを巻き付けて「このメンツならオールマイトだって怖くない」と緑谷が言ってくれたことを話した。常闇が黒影を解放しその力を緑谷を保護する胎に変えた。そのアイデアは体育祭で緑谷が出したものだった。
「ううう……!! やめてくれよ!!(わかってる! みんなが心配してくれてる! 心の底から心配してくれてる! わかるんだだってさっきから……危険や害意を捉えるはずの「危機感知 」が全く反応しないんだ!)だから……! 離れてよ……頼むから! 僕は! 大丈夫だから!!」
「なんだよその面。責任が……涙を許さねぇか。その責任俺たちにも分けてくれよ」
轟が穿天氷壁で緑谷を埋めた。そこに傀薇もやってくる。緑谷に糸を巻き付けた。その糸はシルク製で労わるようにまるでストールのように緑谷にかかっていた。
「緑谷、わたくしね。あなたのことはずっとすごいって思ってますの。だからわたくしはあなたと共に戦うヒーローで在りたいのですわ。泣けないあなたをわたくしは笑顔にして安心させたい。ねぇ緑谷、これからは一緒に戦いましょう……!」
傀薇の手からインターン中エリちゃんのことで思い悩む緑谷たちに贈ったマジックでつかったオールマイトの形をした飴が出てくる。緑谷にとっても傀薇はいつも笑顔をくれる人だった。優しくて眩しいそんな憧れの人だった。
歯を食いしばる緑谷に蛙吹が話しかける。もうオロオロ泣いたりしない、大切だから、あなたがコミックのヒーローのようになるというのならA組は一人で架空 へは行かせないと。
「緑谷! 今の状態がオール・フォー・ワンの狙いかもしれねェだろ。その隙に雄英を狙ってくるかもしれねェ!! そんなナリになるまで駆け回って見つかんねェなら次善策も頭に入れろ!! 大切な雄英を守りてぇってんなら! 離れず側にいるって選択肢もあるだろ!! 俺たちも一緒に戦わせろ!!!」
「……できないよ。これはOFA とAFO の戦いだから。皆は……ついてこれない」
頑なな意志と明確な拒絶に轟も衝撃を受ける。傀薇が歯を食いしばって緑谷につけていたシルクの糸をぐっと握ってワイヤーに変え一緒に飛んだ。
「わたくしついてきてますわよ! ねぇ緑谷! そのオールインワンだかなんだか知りませんけど! それがなんだとおっしゃるの!そんなこと あなたと一緒に戦わない理由にはならなくてよ!!」
「手繰さんっ、危険なんだ……! 本当にっ、これだけは――」
「危険だからって諦められるヒーローなら!! 誰もここには来ていませんわ!!!」
「なんでもうっやめてくれっ……やめてくれよっ」
「危険だからこそ一緒にいますの!! 危険だとわかっている場所に友を一人置いていくヒーローなんていませんわ!!」
傀薇の脳裏に保須での出来事がよみがえる。親愛なる師マジェスティックは言った。友達のことを救えないなら、見ず知らずの他人だって助けられないと。
峰田ももぎもぎでくっついてきて言う。緑谷のパワーがカッケェなんて思ったことはない、自分が惚れたのは冷や汗だらだらで、ぶるぶる震えて一緒に道を切り拓いた緑谷だと。
その瞬間黒鞭で峰田と傀薇が落とされる。建物まで無事に運ばれたそれにやっぱり緑谷だと思ってしまう。
けれどもう緑谷への道は出来ていた。
飯田を芦戸の粘性の保護被膜で覆い、爆豪と轟がエンジンを担う。麗日が浮かして更にブーストし、ついに飯田が緑谷を掴んだ。
「(君はいつだって俺の先を行く……!! だから、だから俺はいつだって――)君に挑戦するんだ!」
「そんな……ダメだ……離して……!」
「離さない! どこへでも駆けつけ――迷子の手を引くのがインゲニウムだ。余計なお世話ってのはヒーローの本質なんだろ」
「解除!」
猛スピードで落ちていく緑谷と飯田を切島が倒れず受け止めた。そして緑谷に話しかける。自分は昔同い年の奴がダチ助けるために駆けだしした話にうちのめされたと。それが緑谷なんだろうと。特別だとか関係ない、あの時のお前が今の俺たちの答えだと、アンサーを導き出した。
駆け寄ってきた芦戸が言う。もう誰かがいなくなるのはいやだ、一緒にいようと。
「……そう……したいよ……けど怖いんだ……! 雄英には……! 沢山の人がいて……! 他人に迷惑かけたくないんだ……! もう今まで通りじゃいられないんだ――」
「死柄木にぶっ刺されたとき言ったこと覚えてっか?」
「……覚えてない」
「「一人で勝とうとしてんじゃんねェ」だ。続きがあんだよ……」
そうして爆豪が話したのは今まで緑谷に抱えていた感情だった。どうして緑谷を虐めるに至ったのか、雄英入学後の苦難。そうして自分の感情を吐露して緑谷と向き合った爆豪は「今までごめん」と頭を下げた。
「OFA を継いだおまえの歩みは理想 そのもので何も間違ってねぇよ。けど今おまえはフラフラだ。理想 だけじゃ超えられねぇ壁がある。お前が拭えねぇもんは俺たちが拭う。理想 を超える為におまえも雄英の避難民も街の人ももれなく救けて勝つんだ」
「(皆とっくに僕なんかよりずっと先に)「ついてこれない」……なんて……「ついてこれない」なんて酷いこと言って……ごめん――」
「わーってる」
そうして緑谷を連れ戻すことに成功した。
だがまだこれで終わりではない。次はより険しい。雄英に避難している避難民の理解を得らねばならなかった。
「ダツゴク確保! やりましたねバクゴーさん!」
「大・爆・殺・神ダイナマイトじゃ!」
「失礼しましたわ!」
緑谷を襲っていたダツゴクが糸で市民を操っていたのを見た傀薇が困ったような顔をした。轟がダツゴクを凍らせて身動きを封じると「おまえの手捌きの方がずっと繊細だ」とフォローをした。
緑谷はA組の姿を見つけると「皆……何で……」と震える声でつぶやいた。
「心配だからだよ」
「僕は大丈夫だよ。だから……心配しないで……離れて……」
「そいつぁよかった! さすが
「……笑う為に安心してもらう為に……行かなきゃ……だから……どいてよ皆……!」
「どかせてみろよオールマイト気取りが!!!」
「
「うん」
「……ありがとう……来てくれて……」
速攻煙幕が飛んだ。爆豪が爆風で消し飛ばす。
口田が戻ってくるよう呼びかける。瀬呂が垂らしてあった黒鞭を拘束して話しかける。耳郎が文化祭でノートのまとめ方を教えてくれて嬉しかったと口にした。尾白が体育祭のとき自分の為に怒ってくれたことを忘れないと言った。
「おまえ
「僕がいると……皆が危険なんだ……!
単純な強さもそうだが意志も強くなっていた。皆を守りたいという思い、次は君だとオールマイトに託されたそれが緑谷を追い詰めていた。
砂藤が自分たちの気持ちも一緒だという。八百万が緑谷を眠らせる装置を創造して初めはみんなで緑谷について行くつもりだったと告白する。上鳴がオール・フォー・ワンも大事だが今の緑谷にはもっと大事なことがあるはずだと説いた。障子が八百万製の絶縁テープを巻き付けて「このメンツならオールマイトだって怖くない」と緑谷が言ってくれたことを話した。常闇が黒影を解放しその力を緑谷を保護する胎に変えた。そのアイデアは体育祭で緑谷が出したものだった。
「ううう……!! やめてくれよ!!(わかってる! みんなが心配してくれてる! 心の底から心配してくれてる! わかるんだだってさっきから……危険や害意を捉えるはずの「
「なんだよその面。責任が……涙を許さねぇか。その責任俺たちにも分けてくれよ」
轟が穿天氷壁で緑谷を埋めた。そこに傀薇もやってくる。緑谷に糸を巻き付けた。その糸はシルク製で労わるようにまるでストールのように緑谷にかかっていた。
「緑谷、わたくしね。あなたのことはずっとすごいって思ってますの。だからわたくしはあなたと共に戦うヒーローで在りたいのですわ。泣けないあなたをわたくしは笑顔にして安心させたい。ねぇ緑谷、これからは一緒に戦いましょう……!」
傀薇の手からインターン中エリちゃんのことで思い悩む緑谷たちに贈ったマジックでつかったオールマイトの形をした飴が出てくる。緑谷にとっても傀薇はいつも笑顔をくれる人だった。優しくて眩しいそんな憧れの人だった。
歯を食いしばる緑谷に蛙吹が話しかける。もうオロオロ泣いたりしない、大切だから、あなたがコミックのヒーローのようになるというのならA組は一人で
「緑谷! 今の状態がオール・フォー・ワンの狙いかもしれねェだろ。その隙に雄英を狙ってくるかもしれねェ!! そんなナリになるまで駆け回って見つかんねェなら次善策も頭に入れろ!! 大切な雄英を守りてぇってんなら! 離れず側にいるって選択肢もあるだろ!! 俺たちも一緒に戦わせろ!!!」
「……できないよ。これは
頑なな意志と明確な拒絶に轟も衝撃を受ける。傀薇が歯を食いしばって緑谷につけていたシルクの糸をぐっと握ってワイヤーに変え一緒に飛んだ。
「わたくしついてきてますわよ! ねぇ緑谷! そのオールインワンだかなんだか知りませんけど! それがなんだとおっしゃるの!
「手繰さんっ、危険なんだ……! 本当にっ、これだけは――」
「危険だからって諦められるヒーローなら!! 誰もここには来ていませんわ!!!」
「なんでもうっやめてくれっ……やめてくれよっ」
「危険だからこそ一緒にいますの!! 危険だとわかっている場所に友を一人置いていくヒーローなんていませんわ!!」
傀薇の脳裏に保須での出来事がよみがえる。親愛なる師マジェスティックは言った。友達のことを救えないなら、見ず知らずの他人だって助けられないと。
峰田ももぎもぎでくっついてきて言う。緑谷のパワーがカッケェなんて思ったことはない、自分が惚れたのは冷や汗だらだらで、ぶるぶる震えて一緒に道を切り拓いた緑谷だと。
その瞬間黒鞭で峰田と傀薇が落とされる。建物まで無事に運ばれたそれにやっぱり緑谷だと思ってしまう。
けれどもう緑谷への道は出来ていた。
飯田を芦戸の粘性の保護被膜で覆い、爆豪と轟がエンジンを担う。麗日が浮かして更にブーストし、ついに飯田が緑谷を掴んだ。
「(君はいつだって俺の先を行く……!! だから、だから俺はいつだって――)君に挑戦するんだ!」
「そんな……ダメだ……離して……!」
「離さない! どこへでも駆けつけ――迷子の手を引くのがインゲニウムだ。余計なお世話ってのはヒーローの本質なんだろ」
「解除!」
猛スピードで落ちていく緑谷と飯田を切島が倒れず受け止めた。そして緑谷に話しかける。自分は昔同い年の奴がダチ助けるために駆けだしした話にうちのめされたと。それが緑谷なんだろうと。特別だとか関係ない、あの時のお前が今の俺たちの答えだと、アンサーを導き出した。
駆け寄ってきた芦戸が言う。もう誰かがいなくなるのはいやだ、一緒にいようと。
「……そう……したいよ……けど怖いんだ……! 雄英には……! 沢山の人がいて……! 他人に迷惑かけたくないんだ……! もう今まで通りじゃいられないんだ――」
「死柄木にぶっ刺されたとき言ったこと覚えてっか?」
「……覚えてない」
「「一人で勝とうとしてんじゃんねェ」だ。続きがあんだよ……」
そうして爆豪が話したのは今まで緑谷に抱えていた感情だった。どうして緑谷を虐めるに至ったのか、雄英入学後の苦難。そうして自分の感情を吐露して緑谷と向き合った爆豪は「今までごめん」と頭を下げた。
「
「(皆とっくに僕なんかよりずっと先に)「ついてこれない」……なんて……「ついてこれない」なんて酷いこと言って……ごめん――」
「わーってる」
そうして緑谷を連れ戻すことに成功した。
だがまだこれで終わりではない。次はより険しい。雄英に避難している避難民の理解を得らねばならなかった。
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