実に轟とのお付き合いは順調であった。むしろ順調過ぎるくらいである。
一度そういう雰囲気になるとおのずと慣れてくるもので、キスしたいんだな、とか……キスしたいなと察したり、行動に移すことが出来ていた。正直一線を超えるのも時間の問題だろうなと思っている。
きららはそうなってもいいと思っているし、むしろそう望んでいるところもあるかもしれない。日に日に好きが募っていくのだ。昨日より今日の方が好きだし、多分今日より明日の方が好きだろう。それはたぶん轟だってそうで、本当に順調だった。

そんな順調な中、轟が仮免の補講で忙しくしていると同時に、きららも個性を試験運用することが決まっていた。
なんでも、きららの個性の有用性に体育祭から目をつけてくれていたスポンサーがおり、企業と連携してプロヒーローたちに試験運用することが決まったのだ。
これは大快挙と言えた。まだ自分の発明品が認められたわけではないが、どんな形であれプロのサポートアイテムに携われるのだ。世界をキラキラさせるきららの野望に一歩近づいたといえた。
そんなこんなで、多方面のヒーローに試験運用してもらい、データを取るためきららも出向することになった。


「飾、今日はプレゼント・マイクと一緒に行きなさい」
「マイクせんせーね。おけおけー!」
「それとヒーロー科の生徒が二名いるけど……迷惑にならないようにね。君、結構ぐいぐい行くから」
「ヒーロー科……?」

それが誰かわかったのは集合場所についてからだった。
そこには轟と爆豪がおり、仮免補講組が一緒だったのだ。


「彼ぴに会えるとかマジうれぴよ〜!」
「きらら? なんでおまえがここに……」
「今回あたしの個性試してくれるヒーローが補講関連の人なんかも」
「ご名答! てか、轟と飾って付き合ってたのか! こいつぁ意外だぜ……!」
「せ、青春だ……!」
「えー? そんな意外? めっちゃらぶぽよなのにー?」
「なんつーか、優等生とギャルって感じ。凸凹感がすげぇ!」
「優等生なら補講になってなくないですか」
「それはそうだな!」

不思議そうな顔をする轟にきららはにゃははと笑った。基本的に轟は優等生だが、正しいと思えば割とルールとかは無視しがちである。そんなところも轟の魅力の一つだろう。決断力があって大変よき
爆豪は始終無言であったが、その表情は言葉よりも心情を物語っていた。クソうぜぇ。ただでさえ轟と一緒であることに苛ついてしょうがないというのに、そこにきららも加わるとか地獄にもほどがある。クソップルと送迎が同じになるとは……他に引率のオールマイトとプレゼント・マイクがいるにはいるが、だからといって何かが変わるはずもないのだ。

そして爆豪の予想通り、講習場につくまでの間二人は大変いちゃこいていた。特に何かをしていたわけではないのだが、雰囲気からしてクソうざかった。恋バナ好きの芦戸や葉隠などならキャーキャーはしゃいでいただろうが、ここにいるのは爆豪とプレゼント・マイクとオールマイトである。プレゼント・マイクは青春だなぁと寛容であったし、オールマイトもなんかそわそわしている。意外と乙女な一面があるのだ。したがって爆豪の味方はどこにもいなかった。「イチャコラしやがってこのクソップルが……!!」と心中でブチギレるしかないのだ。







轟も轟で、昨日エンデヴァーから講習に来るという連絡を受けたのが気がかりであった。
到着早々、きららはさっそく試験運用のために行ってしまい、爆豪に待ってましたとばかりに八つ当たりされようと、そんなことよりエンデヴァーとオールマイトが出くわさないか、夜嵐とも会わないといいと心配であまりそちらは気にならなかった。
あと爆豪の機嫌が悪いのはわりといつものことなので、そういうものだと認識していた。つまりそもそも気にしていないのだ。


「あー何なに、ちょーいい男じゃん。ヤバ驚嘆〜〜イケメンと講習とかマジ恐悦ーー。夜嵐なにー超知り合いー? マジ連絡先ー」
「あ、ハイ」
「ケミィさん交流術さすがっス!! 勉強になりマス!!」

夜嵐と共に現れたその女子生徒は現見ケミィといって、士傑高校の二年生であった。
同じギャルでありながら、きららとは違った感じの雰囲気に、轟はギャルも色々あるんだなと思ったりなどしていた。言われるがままに連絡先を交換する轟に、爆豪はおまえ彼女持ちだろ、いいんか。と思ったが口には出さなかった。お節介を焼く気はないのである。







「よしっと、こんな感じでどーです? ギャンオル!」
「うむ、悪くない。だがちょっとキラキラしすぎじゃないか?」
「そんなことないですって! ギャンオルの乾きやすさをこの水系のパーツでカバーして、強面なのもこのキラキラで緩和! 子どもにモテモテ間違いなっしんぐ!」
「そ、そうか……?」

講習前に本日試験運用をしてくれるギャングオルカと調整を重ねていた。
ギャングオルカは最初、キラキラと輝くデコを見せられ大分戸惑っていたが、デザインをとやかく言わなければ大変理にかなったものであり、何より子ども好きであるギャングオルカにとって、子どもに好かれるというのは大変魅力的であった。

きららも乗り気になった気配を敏感に察知し、ここぞとばかりに畳みかける。商魂たくましいのだ。
最終、ギャングオルカも納得し、このデザインのまま受け取ってくれた。あとは実用性であるのだが……本日の補講はいろんな意味で特別ゲストを招いたものであり、そこできららの愛の試練が始まろうとしていた……。


 


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