R 運動着1話 周回フォーム

運動場


橘花皙
ハァ、ハァ……ッ、ハァ……ハァ……!



エース
あっれ、しろ。まだこんなとこにいんの?



橘花皙
エ、エース……!



デュース
僕もいるぞ。



橘花皙
デュースまで! 二人ともはやいね……!



エース
まーね。オレたち運動部だし。身体動かすのはわりと好きだしぃ?



デュース
僕も走るのは好きだ。風を切る感じがスカッとするんだよな。



エース
まぁ、オレだったら授業で走らされんだから部活まで陸上入ろうとは思わないケド。



デュース
何だとエース。お前はいつもそうやって人を馬鹿にするような言い方をだな……。



エース
お? じゃあオレと勝負する? 負けた方が今日の昼飯おごりってことでどうよ?



デュース
ノった。陸上部で鍛えたオレの脚を見せてやる!



エース
んじゃそういうことで。
じゃあな、しろ!



デュース
しろも頑張れよ!



橘花皙
あ、うん……二人とも頑張って……って、は、はやぁ……。
もうあんな遠くにいる。



橘花皙
って、もしかしてあたしかなり周回遅れてる!? や、やばぁ……。



橘花皙
急がないと……! ハァ……ハァ……ハァ……ッ!



タッタッタッタッ



ジャック
大丈夫か? しろ。



橘花皙
ジャック……!



ジャック
ペースが乱れてるな。
おい、まずはリズムを作れ。一定のペースを保つようにして走れば、大分楽になるはずだ。



橘花皙
ペ、ペース? こ、こう、かなぁ?



ジャック
自分がキツ過ぎない程度でいい。無理にペースを速めても後でへばるだけだ。



橘花皙
い、意外……てっきりジャックのことだから、自分の限界を超えろって言うのかと……。



ジャック
それは俺自身がやることで、お前まで無理にやることじゃねぇだろ。
時間内にバルガス先生のノルマをクリアするだけでもお前には十分大変なんじゃねぇのか。



橘花皙
う……ご、ごもっともで……。



ジャック
次は腕の振り方だな。腕は斜めに切るんじゃねぇ。肘を90度に曲げて細かく振るんだ。空気抵抗が減る分、前に進みやすい。



橘花皙
はいっ!



タッタッタッタッ



橘花皙
おわ〜! 一気に走りやすくなってる〜!



ジャック
いいぞ。そのままだ。そのペースなら十分間に合うだろうさ。



橘花皙
ありがとう、ジャック! あたし頑張るね!



ジャック
おう。俺は先に行ってる。気を抜くと乱れやすいから肘の位置に気を付けろよ。



橘花皙
うんっ! ジャックも頑張って!



タッタッタッタッ



橘花皙
さすがジャック、速いなぁ〜! コツも教えてもらったし、あたしも周回間に合いそう。頑張ろうっと!



バルガス
お。自主的に周回を増やすとは感心だ! ナーイス筋肉だ。ハウル!



ジャック
ッス。



橘花皙
……ん? え……!? ジャック、とっくに周回終わってたの……!?



橘花皙
これって……わざわざ教えに来てくれたってことなのかな……?



橘花皙
……ありがとね。ジャック。



橘花皙
よーし、あたしも頑張るぞっと!