あの人を見ていると、胸の奥がぎゅっと軋んだように痛む。お母さんの病室を開ける直前の鼓動の速さを彷彿とするような、それでいて全く違う痛みが走るのだ。その痛みは確かに痛いはずなのに、不思議と心地がいいような安心するような、変な感覚。どうしたらいいのかもわからないが、どうもしなくてもいいような気もする。