じっとりとコアクリスタルを睨めつけた。ぴかぴかと光るそれが喋っていることは知っていても、自分に声は聞こえない。いつだって優先するのはソーディアンか彼女だ。その二つがなければいまのリオンはなかっただろう。それは確実だ。
 でも、わたしの知っている彼はもういなくなってしまった。それがヒューゴのせいなことも、大方予想はつく。それでも、そばにいたはずの二つはそのままだった。確かに支えではあったのかもしれないけれど。でも、認めてほしかっただけの愛に飢えていた彼は。
 きっとこのまま、会うことはないのだろう。それでも、いつか、なにかの形で意識を通わせられることを祈りたい。それだけが願いだった。