「ゆっきなーりくーん」
「なんすか、すっげー嫌な予感するんすけど」
「えっへっへ、いいじゃない、女装しよう? ゆきに似合いそうなワンピースあるんだよ〜」
「ハァ!? ぜってー嫌、やんねー!」
「いいじゃん! お化粧はわたしの腕が足りないのもあるからそこは置いておくし! ワンピース着るくらいよくない!?」
「よくねーよ! なんでいけると思ったんだよ! おかしーだろ!」
「荒北はしぶしぶ着てくれたのに! 金城なんかノリノリだったのに!」
「あの人たちなにしてんすか!!!! ってか荒北さんがしぶしぶでも着るってアンタなにでつったんすか…」
「えっなにそれ荒北がなにかごほーびがないとやらないと思ってるわけ? 正解だけど」
「あってんじゃねーか! ……で、なんすか」
「ん? うちの教授の期末の過去問計五年分*」
「アンタのとこの教授って……ああ、すっげー面倒なやつですよね。それじゃ荒北さんもしぶしぶやるのか…」
「ね、だからゆきも着よう?」
「アンタ、オレにはなんの『ごほーび』もなくやらせるつもりなんすか」
「えっなにごほーびあれば着てくれるの?」
「考えるだけっすけど」
「えー! うーん、ご飯連れてったげる」
「アンタにメシおごってもらうのあんまり好きじゃないっすよ、知ってんでだろ」
「うー、そうだった。えーそしたらなんだろう、ゆきの好きなものなんでも作ってあげる!」
「うっ、ちょっと考えます」
「やったー!」
「あっこらまだ考えるだけでやるなんていってねーからな!?」
「わかってるわかってるー! ちゃんと考えといてね!」
(あーもー! アンタの手料理とかほとんどありつけないから食いたいけど『ソレ』着たら負けだろ、男として……!)

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