「なんか寒いね」
「そっすね。洗濯物乾かなさそう」
「だねぇ。ゆきもすっかり主夫のように……」
「あんたがなんにもしないからでしょ」
「ゆきがやってくれるからだよ」
「……卵が先か鶏が先かって感じになりそう」
「結論はでないね、ソレ」
 あんたが俺なしで生きられなくなればいいと思うなんて、でもあんたは俺がいなくたってなんの問題もなく生きることがひどくむなしい。それでも、こうやって振り回して甘えて、そういうところに気を許されている気がするからきっと俺はこの人の手のひらの上なのだろう。

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