「眠いのか?ちゃんと寝ろよ」
「バレましたか…いや、寝ようとしたんですけどなかなか寝付けなくて…」
 ふにゃっと笑う顔はいつもよりもとろんとして、眠いのだとはわかっているのに妙にドキドキと心臓が止まらない。
「まだ時間あるから少しでも寝とけよ。寄りかかっていいから」
「ありがとうございます…あくのさんの声は安心しますね、なんだかよく眠れそうです…」
むにゃむにゃと肩に頭を乗せて、そのまますっと眠りについたプロデューサーの言葉を聞いて。眠れない夜、いつでも電話をかけてくれてもいいのに、なんてまだ言えなかった。

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