信号は赤になった。先にわたり終えたプロデューサーちゃんはあきれたようにこちらをチラリと一瞥するだけで歩みを止めない。それでも心なしか少しだけ緩んだ歩みに信号が早く変われとぎゅっと眉間に力を込めた。『おいてくよ』口パクで伝えられた言葉をイチゴンイック間違えずに受信! 青く塗り変わったそれを見た瞬間、駆け出した。
「プロデューサーちゃん、大好きっす!」
「知ってるよ」

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