悔しくて握った拳は、それより一回り小さな手にそっと包まれた。はっと上げた視線が真っ直ぐこちらを見つめる瞳とぶつかって、
「わたしは、いつでもあくのさんの味方ですよ」
 少しだけ微笑みながら言ってくれるプロデューサーに、ああやっぱりこの人はヒーローなんだと実感した。

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