「拾ってもらっちゃってすみません、あくのさん」
「いや、ちょうど良かったよ。これから龍も拾うからちょっと遠回りするけどまだ間に合うよな?」
「はい、まだ大丈夫です。……うーん、やっぱり免許取るべきですよねぇ」
「そうか、プロデューサー免許持ってないんだったか。学生の頃とらなかったのか?」
「東京で就職するなら要らないと思ってたんですよ……それが、こんなに必要だとは。必要というよりはあった方が便利だというくらいですけど」
「まあ、そうだよなぁ。男は車好きなやつ多いしとれるようになったらすぐ取るやつが多い印象だけど、女はそうでもないよなあ」
「男性はやっぱり車好きな方多いんですねえ。従兄弟も車が好きで、すぐ免許とってドライブ三昧だって叔母さんが愚直ってましたよ」
「ははは、男なんてそんなもんだよ。ドライブも楽しいんだぜ」
「ドライブなんてした記憶がないです。昔から車に乗るとすぐ寝るタイプだったので……こうしてお話ししながら乗るのも楽しいんですね」
「話ながらも楽しいし、それにちょっと遠出して普段行かないところに行くと目にも新鮮だしな。……プロデューサーがよければ、今度のオフにでもドライブ行くか?」
「えっ、いいんですか? 運転手のあくのさんに一方的に負担がかかる気がするんですが……」
「誘ってるのは俺だぞ? それに、言っただろ、男は車が好きなんだって。海の方まで行ってみないか? 海岸線ドライブ、なかなか楽しいぜ?」
「でも……あっ、それならお昼はお弁当作らせて下さい! 公園で食べましょう、どうですか?」
「俺はいいけど……結構食べるぜ? 大丈夫か?」
「一日運転続けるあくのさんより断然楽チンだと思いますよ! 食べたいのがあったらいってくださいね」
「おう、それじゃあ楽しみにしておくな。……ん、そろそろ龍のとこだ。あそこ結構ガタガタするから気を付けろよ」
「はーい!」

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