ひとーつ、ふたーつ、みっつ。
 プロデューサーちゃんからもらったメガハッピーな言葉を、ひとつずつ取り出しては光にかざす。ぜーんぶ色が違って、うれしいの形も違ってて、どれを見ても気持ちがあふれてくる。
 で、一通り全部出したら、もう一度全部しまう。そっと、壊れないように、傷付けないように、丁寧に、キレーに。
 心の中のいっちばんキレーな宝箱の中で、開けるたびにきらきら光る言葉の上に、今日もらった、ハイパーメガハッピーな言葉を乗せようとして思い止まった。全部うれしいけど、コレはいっちばんのトクベツだ。別の宝箱に、コレ一つだけを入れよう。
 いっちばんキレーなのはもう使っちゃってるから、残念だけどそれじゃないやつ。……すっげーキレーってワケじゃないし、カドのところなんかハゲちゃってたりする、一番、昔からあるやつ。きっと、いつまでも大事にするけど、頻繁に見返すわけじゃない。だから、ちょっとだけ奥の方にしまっておけるこの宝箱を選んだ。
 ふたをあけて、プロデューサーちゃんからもらった言葉をそっとそこにしまった。
『四季が、だいすきだよ』
 そうわらったプロデューサーちゃんがきらりと表面に浮かんで、カーッと顔に熱が上る。枕に顔を埋めて、眼鏡がずれて邪魔だから外してまた埋めた。
「へへへ、へへっ」
 ヘンな笑い声が出るのはもう仕方ない。姉ちゃんに聞かれたらフシンに思われるから、あんまり大きい声は出さないけど、世界中に叫んでまわりたいくらいだ。いや、でも一人で自分の中にだけしまっておきたいような気もする。
 でもすっごくすーっごく嬉しくて、今日はずーっと笑ってる気がする。だって、すっげーうれしい。もう、うれしいしか言えない。
「オレも、」
 ううん、きっとオレの方が。でもそう言うとプロデューサーちゃん怒るんだ。つまり、オレが思ってるより、プロデューサーちゃんオレのこと好きでいてくれるってことで、また笑いがでてくる。
 へへ、プロデューサーちゃんも、オレの言葉を大切にしてくれたらいいな。いつか、二人で見せあいっこして、恥ずかしくなるのも楽しそうだ。
 声に出して、電話で、文字にして、手紙にして、いろんな方法で伝えたけど、やっぱり顔を見て、だーいすきっていっぱいいっぱい音に詰めて笑って伝えられるのがイチバン!

「プロデューサーちゃん、だーいすき!」

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