やわらかい日差しをたっぷりと浴びた布団に飛び込んだ彼女を見て、ついうずうずとして隣に飛び込んだ。ぼふりと埃が舞い上がって、窓から差す光にきらきらと輝く様が、明るい夜空に迷いこんだようで、ああ、これが幸せなのかと妙に納得する。
 特別不幸だと思ったことはないが、つまり裏を返せば特別幸福だと思ったことがないのと同義で──この幸せが途切れないように、と祈るかことしかできない自分に嫌気がさした。

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