「なんでそんな不機嫌そうな」
 思わず口から出たのは、挨拶ではなくてそんな言葉だった。元々寝起きはいい方でないのは知っているけれど、ここまで不機嫌そうなのは初めて見る気がする。夢見が悪かったと胸の辺りに頭を押し付ける様に、頭をぽんと撫でて一度だけ抱き締めた。

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