視界を横切った白に、ほうっと白い塊を吐き出した。見上げる空は快晴、首を傾げて前を向けばまたふわりふわりと白が舞う。
「……なんだ、もう春か」
 日に照らされて透ける『白』は、淡く春色に色付いていた。

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