ゆっくりと伸びゆく影は、いつまでも僕の足元をついてまわる。いつだって独りにしてくれないそれは、いつだって僕とともにいた。
 ゆっくりと顔をあげれば僕の視界からは消えるけれど、それでも影がそこにある事は揺るぎない。青い空に映える雲が目にしみるようにさした。
 僕が伸ばした指先は空に消える事なく、そこにある。影も同じように指先を伸ばしていた。


アンシャンテ