暗くて明るいビロードを広げた空には、ぽっかりと三日月が笑う。こぼれた星はひとつ、ふたつ、と数えてもいつまで経っても終わらない。
 星を集めてはビンに詰めて、ひとつずつ食べては糧にした。でもそれもあしたで終わり。何度数えてもひとつ足りない星は、空に帰ってしまったんだろう。


こんぺいとう