じっとりと睨めつけられるのは、僕がなにをしたからでもない。髪が黒いからだ。僕の親は物心ついた頃には身近にいなかったのでどうだかしらないが、道ですれ違うのも、前を歩くのも、空を飛ぶのも、どれも髪は緑色。
これが苔むすような緑色ならばまだそんなに目立たないのかもしれないが、この緑色はとても鮮やかで、僕らの瞳よりもよっぽど鮮やかだった。僕の瞳は一際鮮やかだと言われていたが、それよりももっと鮮やかだった。
目立つから睨めつけられているわけではない。僕だけがみんなと異なるからだ。それがいいとか悪いとかではなく、ただ、違うから睨めつけられる。
僕が望んでこんな色になったわけではないのに。それでも睨めつけ、威嚇されるのは、誰が言ったか怖がっているのかもしれない。
そんなこと、僕はどうだっていいのに。べつに髪が急にうねり出して襲いくるわけでもないのに。ただ、普通にしてほしいだけなのに。
僕の希いは、叶わないのだ。
黒い髪