ぽかぽかと陽射しが降り注ぐ。ベランダに出たら、妙にあたたかくてびっくりした。季節がいつだか、わからなくなる。
 しんしんと冷える朝から、ゆるやかにあたたかくなってゆく陽射しは、心の奥のほうまで溶かしてゆくようだった。バターのように、ゆうるり溶ける。溶けたバターは、ジャガイモにでも乗せて食べてしまおうか。そうしたらきっと、心を取り戻せる。そんな気がした。


バター