逃げろと叫ぶ声が、薄い膜を通したようにこもって聞こえた。
 僕らに逃げる先なんてないのに、一体どこに逃げろというのだろうか。
 少しでも足を進めれば逃げたことになるのか?
 逃げ切れなければどの道同じこと。
 さあ僕はどうすべきか? 自問自答しても、答えなんて出るはずもなかった。


逃げる