割れたガラスの破片がばらばらと足元に広がった。どうみたってただのガラクタになった『それ』は、それでも彼にとっては大事なもののままであったようだった。
「われてもさんかくだ〜」
 なぜだろう、ぐちゃぐちゃになった『それ』にひどく醜い羨望と嫉妬を抱いたことに自己嫌悪する。
「……そうだね。でも危ないから触らない方がいいよん」

割れたサンカク

 そうやって遠ざけて廃棄して、オレは満足なの?