頬をくっつけあって笑うのが好きだった。すべすべとしていて、互いの髪の毛が互いをくすぐるのがこそばゆい楽しさを生むから。
「かずー、だいすきー!」
 くふふ、と睫毛が頬を撫ぜていくのを笑って、つい「どのくらいー?」なんて聞いてしまう。えー、と笑うすみーは一度頬を離してから両腕で大きくサンカクを作って「このくらい!」と笑った。
 そんなに大きいサンカクと同等なのか、と思ったら楽しくなってもう一度頬をつけて二人でくふふ、と笑いあう。オレたちの毎日は幸せで溢れていた。

どのくらい、すき?

 しあわせってさ、こういうのかな。