緩やかに閉じられる瞳にその場を後にしようとした。くん、と引っ張られるような感覚にふと隣を見れば、服の裾をぎゅうと握りしめている手を見つけてひとつ笑う。
「寝るのに邪魔にならない?」
「じゃまじゃ、ない。……となりに、いて」
 眠たげな声色、テンポで紡がれる言葉は、ただオレにそばにいてほしいことを訴えていて、ひたすらに嬉しくなる。そのままその場に腰を下ろすと、安心したように服の裾を握った手をもう一度握り直して、すぅと瞳を閉じた。
 オレも、この微睡みをともにしたら、同じ夢がみられるだろうか、なんて考えて、瞳を閉じて思いを馳せた。

とりあえず隣にいてよ

 そこにいるだけでいいから